2009年1月1日元旦 16:00@Unter den Linden
ベートーヴェン 交響曲第9番 ニ短調op.25 指揮:グスターボ・デュダメル 管弦楽:STAATSKAPELLE BERLIN いつもオペラを見る劇場で第九を聞く不思議。 舞台上にオケ、後ろに合唱。昨日のコンツェルトハウスもだが、残響はないが、劇場そのもののもつ不思議な空気感が音を包み込む。これだからやっぱり音楽は生できかなければ。 噂のデュダメル。うううううううーん、すごい。 なにがすごいって。 激情型とか、力任せとか、若者にありがちな指揮ではまったくもって、ない。 そしてアンダンテ、ラングサム、アダージョを存分に操るのだ。 第1楽章、第2楽章はきっちりとリズムを刻み特にテンポを揺らすこともない。驚いたのは3楽章、ちょうどJL機内のオーディオプログラムでデュダメル&シモンボリバールユースのマーラー5番、アダージェットを聞いたばかりの耳だったので、それを思い出し。 音楽が進むにつれ、周りの観客の様子が、なんだかハテナ。気になってみると、なんと涙をぬぐっているのですね。 そうだった。 ここはベルリン。 自由、という意味がまったくとり方が違うのだった。 4楽章、合唱が入ってからも、さすが劇場専属歌手によるソロ、そして鍛えられた合唱。4楽章は予想外のテンポ、それも後ろに行くほど歌の入る箇所はゆっくり、そして歌が終わった途端に猛烈に終極へ向かう。 音楽が終わったあとに驚くばかりの音声の空白、拍手が出ないのだ、気持ちが言葉にならなくて。 これまで「音楽の余韻を楽しむ」とか「感動のあまり拍手を忘れて」とか、いろいろあるのだけれど、今回のような言葉に出来ない無音声状態は初めて。 ※ 本当はもっともっと書きたいのですが、pcのバッテリーの調子が悪く、いつダウンするかわからないのでこのあたりで。帰国後追記します ※2009.1.12追記 ソプラノ:Anna Samuil アルト:Simone Schoeder テノール:Roberto Sacca バス:Christof Fischesser 合唱:Staatsopernchor 外国のソリストが歌う第九、私は1昨年の大フィルで初めて聞いたのですが、今回もそうだったのでちょっと書きますと、インテンポでは歌わないんですね。言葉、単語を優先してオペラ的、特に4楽章Brの歌いだしとTのマーチはレチタティーボで。 合唱は総勢約80名。女性の服装は上下とも黒です。私、合唱の白ブラウス、っていうのがどうも嫌で・・・ 今回のStaatsopernchorの女性、制服だと思います。胸元のVカットがみな同じでしたので。ちなみにスカート丈も同じ、床上20センチくらい?黒ロングではありません(笑)。 スタートが16時というせいか、オケも指揮者も男性はスーツです。ネクタイも思い思いの色柄で。 さて、指揮とオケです。 いくらオペラの舞台が広いといってもフルオーケストラに合唱が乗るとなると手狭です。ボーイングぎりぎりの配置です。でもって対向配置。 デュダメル、オケの求心力、音楽への集中力がすごい。譜面はなしで、局所局所で各パートに指示を出していきます。そして主旋律を際立たせるのではなく、同時になっている音の線もくっきり表現。スコアが目の前に見えるようです。2楽章、♪ドーレミファッミレッドレッド、ミーファソラッソファッミファッミ~♪はかなりリズムのキレを強調して若鮎のはねるのを連想させます。 4楽章の合唱が歌い終わってからのプレストはすさまじかった!スピードではなく、音の密度が高く、総重量の高い物体が大気圏を通過し地球上に一気に落下していくようです。 そして終わった後の静けさ。 4秒ほどの静寂。音楽に打たれて拍手できないのです。 デュダメル、噂以上にすごい指揮者です。もちろんstaatskapelleの演奏がまたすごいんですけど。 ところで歌詞はフライハイト、ではなくフロイデ、で歌われていました。
by felice_vita
| 2009-01-02 03:08
| 海外オケ
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