2009年2月7日(土)@すみだトリフォニーホール
新日本フィルハーモニー交響楽団 トリフォニーシリーズ 第441回定期演奏会 ハイドン オラトリオ「天地創造」 指揮:フランス・ブリュッヘン 天使ガブリエル、イヴ:マリン・ハルテリウス(S) 天使ウリエル:ジョン・マーク・エインズリー(T) 天使ラファエル、アダム:デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(Br) 合唱:栗友会合唱団 合唱指揮:栗山文昭 チェンバロ:渡邊順正 コンマス:崔 文洙 入り口でプログラムと一緒に対訳が配布。開演5分ほど前には、「ページを捲られる際は音の出ないよう・・・」とのアナウンス、対訳の右下ページにも”ページは静かにおめくりください”の文字。それでもやっぱりねぇ。。。 さて。 合唱団→オケ→コンマスの順で入場しチューニング、終わってソリスト&ブリュッヘンさんがしずしずと登場。ブリュッヘンさん、指揮台に上がるのも大丈夫か!?と思ってしまったけどよいしょっと着席され、振り下ろされた棒からは”es war einmal, es war einmal, es war einmal・・・”な天地創造の物語がはじまりました。 オケによる導入、バリトンのレチタティーヴォに続くUnd es ward Lichtの合唱の後のオケ、オペラならさしずめ降ろされていた真紅の緞帳が上からひといきに振り落とされ、そこから光が一気に放出されるような神々しい音楽が炸裂。まぶしい!なんて視覚的な音楽! そこからは一気に天地創造の世界に引き込まれました。 なんてったってソリストが素晴らしい。ソプラノのハルテリウスさんはスウェーデン人、ばら騎士のゾフィーを得意とし、2007年のチューリッヒ歌劇場の来日公演でもゾフィーを歌われたとか。 テノールのエインズリーさん、バリトンのウィルソンージョンソンさんはともに英国人。ドイツ語ネイティブではないのに正確なディクション。ブリュッヘンさんともチームで歌われてきているだけあって絶対的な信頼をおかれているのがよくわかります。もううっとり。 私は実は結構オラトリオとか、ミサ曲って途中で意識を失うことが多いのですが、今回はまったくそんな予兆もなく、目の前でつくられる楽園のドラマに釘付けでした。 オケは対向配置、コントロールされたティムパニ。バランスが絶妙。 (ラストの合唱数人ソロ?は、ソリストとのあまりの差に・・・あの声音はハイドンとは別世界だわよ。) 演奏が終わって何度も拍手に呼び出されるブリュッヘンさんとソリスト。 ほんと、いい音楽とかハイドン、っていうよりも、ミルトンの世界が全面に出された演奏でしたよ。ドラマティックとかオペラティックっていうのとは違うんだけどとっても映像的。美しき楽園絵図。 古事記の天地創造とは世界観が違うよな~なんて。(どっちがよいっていうのではなく) 関係ないのにガリレオの地動説なんかに思いをはせてしまった。イマジネーションがふくらませられる音楽だったな。 これからはじまるブリュッヘンさんのハイドンプロジェクト、行きたかったんだが今月に限ってすべて予定が入ってて残念。 ただ、カーテンコールにひとこと。 数度にわたる拍手に呼び出され、今度はひとりで出てこられたブリュッヘンさん。 ここはやっぱし今日の素晴らしい演奏をつくられたブリュッヘンさんに敬意を表し、彼のためだけに拍手はささげられるべきだったと思うのですが。 ブリュッヘンさんが合唱の方を向かれ手でお立ち下さいの合図をされてから、合唱、立っちゃったよ、おいおいおい。 普通、「ここは指揮者であるあなたのためのものです」といって、いやいやいや~、とにっこりして座ったままで客席と一緒に指揮者を称えるのがお約束のはずでしょうが。 続いてブリュッヘンさん、オケに同様に仕草をしたものの、さすがオケは着席のままでした。 細かいことなんですけどね。
by felice_vita
| 2009-02-07 20:54
| 国内オケ
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