ウィーン・グランド・コンサート@オーチャード

トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン
~ウィーン国立歌劇場、ウィーン・フィルのメンバーとその仲間たち~
2009年4月4日(土)Bunkamuraオーチャードホール 

6時開演の予定が15分経過しても開演せず。場内がざわざわしはじめたところで、芸術監督のペーター・シュミードルさんが登場、メゾ・ソプラノのクラスティーヴァさんの喉の調子が悪く、30分ほど前に医師の治療を受け何とか出演に向けて調子を整えていること、そのため一部プログラムを変更してすすめること、のアナウンス。
これが大当たり!別のプログラムで演奏が予定されている曲の一部楽章が演奏されることとなり、4月12日のウィーン・プレミアム・コンサートのチケットが取れなかった私にはうれしい誤算となりました。
VPOの各人の能力の高さを改めて再認識したコンサートでした。

第1部
演奏=トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン
第2部
指揮:尾高忠明
演奏=トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン&名古屋フィルハーモニー交響楽団

♪プログラム
第1部
「トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン」のための前奏曲
 『イントラーダ』
ヴェルディ:歌劇『マクベス』より”空が急にかげったように” バス:アイン・アンガー
*ウェーバー:クラリネット協奏曲 第2番 変ホ長調Op.74より第2楽章 Cl:ペーター・シュミードル
ヴェルディ:『ドン・カルロ』より”ひとり寂しく眠ろう”Bs
*メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64より第1楽章 Vn:フォルクハルト・シュトイデ
チャイコフスキー:『エフゲニー・オネーギン』より”誰でも一度は恋をして”Bs
ビゼー:歌劇『カルメン』より 第3幕への間奏曲
ビゼー:歌劇『カルメン』より ハバネラ”恋は野の鳥” Ms:ナディア・クラスティーヴァ
ヴェルディ:歌劇『シモン・ボッカネグラ』より”悲しい胸の思いは”
*ビゼー:歌劇『カルメン』より ”セギディーリャ”(特別に追加)
☆*がプログラム変更後演奏されたもの。もしクラスティーヴァさんが最後まで歌えなかった場合は、これにハイドンのトランペット協奏曲の第1楽章が演奏される予定でしたが無事ご登場。アリア2曲に代わり一部楽章とはいえ協奏曲が加わったことでかなり長時間彼らの演奏を聴くことができ至福のときでした。

第2部
R・シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」Op.30
R・シュトラウス:楽劇『サロメ』より”7つのヴェールの踊り”

第1部だけで十分。
バスのアンガーさん、地の底からわいてくるような低く、そしてホール中の空気をびりびりと振動させるコクのある美声です。1曲歌うごとに調子があがり、特に2曲目のドン・カルロはオケがムードたっぷりの演奏、チェロソロのフリードリヒ・ドレシャルさんのフィリッポ2世の悲哀をこれでもかと盛り上げる旋律の歌い上げにアンガーさんのすっかり役に入りきった姿、声が、衣装を着けていなくても、そして周りにセットがなくてもドン・カルロの世界を十二分に表現していました。この時点でかなり会場はホットに。

そして、当初Msのスペードの女王が続く予定だったところプログラム変更となったメンコン!!!
シュトイデさん、何者!!!??? すごすぎます!こんな人がコンマスでいいのか!?VPOだからいいんだろうけど。言葉で表現できない、うっとりするしかない、文句のつけようの無い演奏。
もうこの演奏はちょっとした事件ですよ! VPO、恐るべし。シュトイデさんのソロはもちろんですが、オケもまたお互いを知り尽くした阿吽の呼吸で、指揮者なしにこの演奏。場内が騒然となったと言っても過言ではない、すごすぎる演奏でした。

次に再び登場したアンガーさん、そして続く演奏、メンコンから一気にボルテージ上がった感じ。負けてられない!とプロ魂を煽られたというか。でもってMsのクラスティーヴァさんも真っ赤なドレスで無事登場、カルメンを色気たっぷりに聞かせてくれました。クラスティーヴァさん、アルトに近いメゾで、このところどちらかというとソプラノ寄りの多いメゾ業界にあっては貴重なメゾソプラノ歌手でしょう。カルメンなんて、ほんとぴったりです。バルツァを継ぐカルメン歌いは彼女かも。

後半はね。
なかったことでいいんです、もう。
演奏に破綻があったわけではないんだけど、せっかく新鮮な素材を手に入れたのに、お醤油かけすぎ、ないしすべてクリームソースで、素材を分からなくしたお料理みたいな。。。
音楽全体が散漫というのかな、どのパートも鳴らしすぎで音楽の輪郭が見えない。
やっぱりR・シュトラウスは一筋縄ではいかないのか。
本当はツァラトゥストラで退場しようかと思ったけど、7つのヴェールは誰がやってもそんなに外れることはないだろうと最後までいましたけど、Hummm、あったかもしれないアンコールも飛ばして、音楽終わるなり退席、家路に着いたのでした。
シュトイデさんのメンコンを胸に、よい夢見たいです。

もらったチラシに9月に来日のメータ&VPOのチラシが入ってました。
サントリーホール以外は、川崎、福岡、兵庫芸文(げげっ、最悪。音響少しは改善されたんかな。なんでシンフォニーでないのか!(怒))。
あと、サイトウキネンのチラシも。
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by felice_vita | 2009-04-04 22:34 | 海外オケ
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