PMFオーケストラ 2009 東京公演

20周年のPMF、節目にふさわしい素晴らしい演奏会。しかもこれまで聴いたマラ5でもトップクラスの名演奏。

2009年7月29日(水)19:00~ @サントリーホール
PMFオーケストラ 東京公演
指揮:マイケル・ティルソン・トーマス(MTT)

ティルソン・トーマス:シンフォニック・ブラスのためのストリート・ソング
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調

昨年はステージマナーの段階でひいてしまったところがあったのですが、今年のメンバーは真面目で勉強熱心です。前半が終わり休憩で椅子の配置が終わるなり殆どのメンバーが舞台に登場し、楽譜を熱心に見つめたり、何度もさらったり、隣の奏者と音楽的な(らしい)確認をしたり。誰一人不真面目な顔を見せるメンバーがいない。この時点でかなり好印象。
エレガントなマエストロMTT。ダン・ブラウンの『天使と悪魔』『ダヴィンチ・コード』のラングトン教授は私の中では彼こそぴったりはまり役。ロマンスグレーで哲学者風の風貌にメロメロ。話す声もまた素晴らしいですからねぇ、もう。

音楽の話に戻して・・・
すべて綿密に構築され彼の頭の中ですっかり出来上がったマーラーの5番という音の構築物を、そのとおり表現するバトン、そしてそれをきっちりそのまま正確に表現するオケ。どのような音楽を作り出すのか、という共通理解がしっかりできており、指揮を見ているだけで、ほしい音がわかります。
リハーサル、どれくらいされたのか分かりませんが、指揮者の意図が完璧に反映されるオケの反応のよさったら。次はどうする、ではなくしっかり全体像が彼らの頭の中にあり、数小節先まで見通したような演奏というのか、まるで身体が勝手に覚えている、というのか。

シンフォニックブラスのための~は、チケット購入時にはまだ決まってなかった曲目でしたが、今年は金管陣が豊作で、それでこの曲になったのでしょうか。
15分間のこの曲、70分とされているマラ5の前にはちょうど良い長さです。アメリカはやはりブラスの国だなぁ、とこの曲を聴きながら思いました。市民のためのファンファーレ、オリンピックファンファーレ(っていうのか?J・ウィリアムスがLA五輪の時に披露した曲って)、etc。

後半のマラ5の話。
マラ5ってやっぱり名曲なんだな。(アダージェットだけじゃないのね。)出だしのトランペット、完璧。彼女(女性なのだよ「)の演奏、音を外さず吹けるかというレベルではもはやなく、輝きのある音色、歌心のある旋律の節回しは、オペラ歌手でいうところのパヴァロッティの太陽の声とドミンゴの解釈の深さを兼ね揃えたスピント系超特級の奏者です。早々に名門オケに就職できそうだ。
今回は特に金管陣が群を抜いて素晴らしく、後方の彼らの座する一体は黄金地帯と言えましょう。
そうそう、オケの配置は下手に第1ヴァイオリン、上手に第2、反時計回りにヴィオラ、チェロ、そしてヴァイオリンとチェロの後方がコントラバス。弦の後ろは通常通り、木管、そして金管、打楽器が後ろに連なっておりましたが、この配置の効果がまたドンピシャ。見事なサラウンド効果と鉄壁の金管陣の美音を余すことなくホール一体に響き渡らせるにぴったりでした。シンバルもよかったな。
指揮者の役目って大きいわ。MTTすごすぎ。
先日の東フィルとはえらい違いだよ、打楽器に管楽器。
だけどそれをいうなら2月の大フィル定期マラ5は悪い夢だった・・・ 大阪公演ではしり上がりに調子を上げたようだけどあの東京公演、大フィルファンの私ですらどう考えてもいただけない。時間ばかりが気になっていたのに比べ、今日は約75分間の演奏がなんと早く感じたことか。
2月の悪夢を払拭してくれる、会心の演奏でした。

音楽が終わった途端間髪いれずに轟音のような拍手の嵐。大興奮の渦、渦、渦。
一等はじめにMTTが起立させ握手を求めたのがトランペット、なんと女性じゃないか!そして次々紹介されるメンバーにまた嵐のような拍手。冗談じゃなく地鳴りがしてた。
複数回のカーテンコールも終わりお開き、も、出せるものすべて出し切り達成感いっぱい手応え十分のメンバー、互いに握手したり、抱き合ったり。栄光をたたえあう面々。まるでドラマのワンシーン。
舞台上からすべての奏者が消えた後も拍手は続く。それに応えてブルーの上衣に着替えられたMTTが登場。
ブラヴォー、マエストロ!素晴らしい音楽をありがとう!
今日はみんな興奮のあまり眠れないんじゃないだろうか。
(私も眠れないが)

いやはや、素晴らしい演奏会でした。ほんと、近年稀に見る名演奏。

ただ、残念だったのが今年からメンバー表の配布がなくなったこと。あの奏者は誰??というのが分からない。パンフを購入しようと売り場に並ぶも、「本日のプログラムではなく、20周年を記念したものです」「今日のメンバー、載ってないの?」「本日のメンバーは載っておりません」。(でも本当に載ってなかったのか・・・?) この物販嬢、忙しいのは分かるが販売している中身ぐらい知っておくべきだろ。しかもどこぞの国の店員のように木で鼻をくくったような返答、愛想の無さ。忙しさのあまり逆切れしたんだろうけど。「私は物販担当なので、その辺にいる主催者に聞いてください」とか、中身を見せてと頼んだ女性にはぱらぱらと捲って見せるのみ、女性は「そんな距離では中身分からないわ(もう結構)」とご立腹の様子で立ち去るの図。
あぁ求む本日のメンバー表。

今日のコンサートでしばらく音楽は夏休み。上半期の締め括りにこれ以上ないコンサートでした。
後半戦はサイトウキネンでスタート、9月はスカラ、10月はラザレフのプロコ、11月はリヨンにチェコ、末からゲルギー、そして今年も1年が終わっていくのね・・・
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by felice_vita | 2009-07-29 23:26 | 海外オケ
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