アドレナリン出まくりのゲルギー(マリインスキー4日間ではばらつきがありましたがショスタコの1日だけでもう十分元はとった感じ)から中2日、2009年シーズンクローズ間近にぴったりのコンサートでした。
トッパンホール、好きだなぁ。 2009年12月5日(土)17:00@トッパンホール パノハ弦楽四重奏団 1stVn:イルジー・パノハ、2ndVn:パヴェル・ゼイファルト Va:ミロスラフ・セフノウトカ、Vc:ヤロスラフ・クールハン ハイドン:弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.76-5 Hob.III-79 《ラルゴ》 フィビヒ:弦楽四重奏曲第2番 ト長調 Op.8 ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 Op.96 《アメリカ》 ♪アンコール ドヴォルジャーク:《糸杉》より第3曲 モーツァルト:弦楽四重奏曲第1番ト長調K80 メヌエット グルック:ピッツィカート 1971年に活動を開始し38年同じメンバーで演奏を続けているのってすごいことです。 タキシードとか、スーツとか、ではなく、えんじ色(阪急マルーンカラー!)の蝶ネクタイってところがいい! 弦の響きはブリリアントというよりも漆黒。熟したワインというより、まるで琥珀のキャンディを味わっているようです。四重奏で見られる息をつめる緊張感ではなく、お互いを知り尽くしているメンバーだからこそできる曲入り、間合い。いろんな時代を見てこられて今がある、そんな感慨を感じさせる芳醇の音空間でした。 どの曲もすばらしいのですが、やはりアメリカ、特に2楽章は感涙もの。ドヴォルジャークの感慨がメンバーの想いと見事にシンクロしていたのでしょう、この楽章が終わったときはまるでレクイエムの後のような沈黙が生まれました。思えば結成の1971年というとプラハの春から間もないころなのですよね。。。 そして打って変わって3,4楽章、それでも人生は進む、というような。なんだか両手合わせたくなるようなありがたさでした。 アンコールがまたすばらしかった!ドヴォルジャークは、あぁ、これはチェコの人にしかできない演奏であり、一時クラシック音楽はその音楽を生んだ国の民族にしか根底から理解し得ないのか、と達観しかけるような演奏でしたが、次の無限のモーツァルトを聴いて希望ももらいました。 モーツァルト、私はレクイエムしか自宅でCDは聞かないのですが、今回この曲を聴きながら、モーツァルトは国境を選ばない、音楽、芸術のすばらしさは全人類共通に表現できるものなのだ、と感じ、その偉大さをようやく知ったのでありました。 うーん、なんだか得るものの多い演奏会でした。
by felice_vita
| 2009-12-05 21:28
| ソロ、リサイタル
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