せんがわ劇場サンデー・マティネ・コンサート~午後への前奏曲~Volume59

せんがわ劇場サンデー・マティネ・コンサート~午後への前奏曲~Volume59
2010年11月21日(日)11:00~@せんがわ劇場

f0041305_15282543.jpg《出演》
ヴァンサン・リュカ(フルート)
東井美佳(ピアノ)

《演奏曲》
プーランク : ソナタ  
サンカン : ソナチネ
ゴーベール:ノクターンとアレグロ・スケルツァンド
フォーレ:幻想曲
ボンヌ:カルメン幻想曲


パリ菅首席フルート奏者、ヴァンサン・ルカさんのコンサートでした。もう、もう、ひたすら贅沢な時間!!
45分の予定が、休憩なし、トーク&演奏で裕に1時間を超えるコンサート。しかも前回も書きましたがこの劇場(あえてホールとは書きません)、ひな壇式100席で演奏者が非常に近く、マイクなしで肉声が普通に通る程度の広さ、アットホームな雰囲気にルカさんも超ご機嫌!!で全ての曲の前にいろんなお話を挟まれ、来場の乳幼児にも温かく、会場の雰囲気も大変よいものでした。

フルートの演奏って卒演くらいでしか聞いたことがなく、こんなに正面からじっくり聴いたのは初めて。プログラムはオールフランスもの。トークのフランス語、フルートの演奏、音楽が、すべて1つの直線で繋がっていて、弦楽器と吹奏楽器の違いを如実に感じました。話す言葉がそのまま管を通して音楽として紡ぎだされる。よくヴァイオリンは人の声、と言われますが、フルートってそれ以上、いえ、むしろ声楽よりも人間的かもしれないな、なんて。(声楽は実際言葉が歌われますが、時としてその言葉がうるさすぎることもあるので)
貫禄のヴィルトゥオーゾ、テクニックをまったくテクニックと感じさせない余裕、棒高跳びで5メートル飛べる人が余裕で1メートル以上の空間をもって4メートル跳ぶみたいな。
サ・セ・パリ。ここはプレイエルホールか?なんて。
そしてリュカさん、とっても素敵なお人柄なんですよね~。

前回の高橋さんもでしたが、この距離感、病み付きになります。音楽の聴き方がかわります。
そして、会場には「クラシックファン」でない方が多く、おそらく地元仙川の方が、「ご近所だから」、とか、「休日の楽しみ」っていう感じで、気楽に来られている。服装も、年齢も、とっても自由。
こういうところが演奏される方にとっても、いつも経験されているコンサート、リサイタルと違い、演奏しやすい環境を作り出しているのでしょうね。
調布市民の幸せ。

少々長くなります。今回のリュカさんの演奏を聴きながら、今月の「音楽の友」のショパンコンクール特集に付随してのツィメルマンさんのインタビューを考えていました。
今回のショパンコンクール、日本人どころかアジア人の入賞者はまったくナシ。
メモリアルイヤーのコンクールですから上位でなくても入賞していればかなり話題にはなったでしょうが、ジュネーブ国際の方が日本人にとっては知名度低くともニュースになりますね。
で、ツィメルマンさんの言。
今回のコンクールは実力の拮抗が激しくこれほど甲乙つけがたいものはなかったと。そして、生で聴くのと、ネット等媒介で聞くのとではまったく印象が異なったこと。
あと、一人も入賞がなかった日本人、演奏に対する姿勢のハナシ。上位者は観客を意識しているが、日本人は自分の目の前のことで完結していた、と。

プロの演奏家は、観客に音楽を聴いてもらう、聴いてもらいたい、表現したいものが明確であり、それがないと説得力を持たない。
どんなに技術があっても、表現したいもの、伝えたいものがなければプロとしてやっていけない。
そしてどれだけその思いが強いか。
これって、苦境にある各地のオーケストラ問題にも繋がっていくような気がなんとなくしています。
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by felice_vita | 2010-11-21 15:29 | ソロ、リサイタル
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