フランス、ばんざい!!!
2011年4月16日(土) 14:00 @東京オペラシティコンサートホール 指揮:シルヴァン・カンブルラン ピアノ:ロジェ・ムラロ 管弦楽:読売日本交響楽団 コンマス:ノーランさん プロコフィエフ/バレエ音楽〈ロミオとジュリエット〉作品64 から抜粋 ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調 ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調 ラヴェル/ボレロ 東日本大震災(これが正式名称なんですよね)から1ヶ月ちょっと、今日も11時ごろに栃木県を震源地とする結構なゆれがあったので、交通機関、会場設備に影響ないといいがな、と思いつつオペラシティへ。 芸劇から場所をオペラシティへ移して新年度第1回目の定期です。 本当なら今日は仕事のはずだったのが、震災の影響で延期、急遽、第1回を体験できることとなったのでした。 常任指揮者、マエストロ・カンブルラン、昨年はアイスランドの火山噴火による影響で通常ならパリ直行便12時間で日本に到着のところなんと80時間で乗り継ぎ乗り継ぎ来日してくださいました。 そして今年は震災・津波というよりも福島原発の放射能の影響で軒並み外国アーティストが来日を見合わせる中、予定通り来日くださいました。コメント、涙が出ます。 http://yomikyo.or.jp/cat8/#news-topics-1059 プログラムに先立ち、メシアンの交響的瞑想「忘れられた捧げもの」より第3部聖体が追悼演奏。細い細い雲の糸のようなヴァイオリンの音色。 そしてプログラムに入り、プロコのロメジュリ、メリハリの利いた、コントロールされた演奏であきさせません。 今回は新シーズンのオープニングに加えオペラシティでも第1回の演奏会ということもあったのでしょうか、プログラム自体がかなりの大盤振る舞いと言うのかお得なプロです。 2曲目、ラヴェルのPf協奏曲です。 ロジェ・ムラロさん、すごすぎ。休憩はさんでとはいえ、このあと同じくラヴェルの左手~なんですよ!? 1回の演奏会で2つの協奏曲やるなんて初めて聴きました。 今まで協奏曲、ソリストはスルーしてたいてい後半のプロばかり感想にかいてしまう私ですが、今回の演奏会、ムラロさんなしではなりたたない! すごすぎです。「そうやねん、これが理想のラヴェルやねん!」と膝をたたきたくなる演奏。 左手はもうデモーニッシュというのか、圧倒されてしまって、かつオケパートもかなり盛り上がる、アゲアゲな曲で、オープニングにふさわしいのはもちろん、今の日本を元気付けるのにぴったり。 左手だけでなんて・・・絶句です。 気を取り直してラストのボレロ。 シンプルなのに何度聞いてもこの曲は印象というのか、そのときの気分によって聴きかたがかわりますね。 今日は、個性なんてことを思い浮かべながら聴いてました。 読響って本当に個性的というのか、聴くたびに「やっぱ好きやねん」と思うオケなんですよね。各パート、しかも更に細分化した個人まですごく個性的で自己主張のあるオケ(音はパートでちゃんとまとまってる)。だもんで、アンチ巨人の私であっても、東京やったらやっぱ読響やろ、と思ってしまう。時に荒削りでなりすぎなときも歩けど、でもそれも個性。 今回のボレロでは、まさしく個性、武者小路実篤的心境でした。みんな、なかよし。 終演後、サイン会(CD購入者むけ)がありました。 今回は本当に来日してくださってありがとう、うれしくってしかたない、といった事を是非お伝えしたいと直前まで考えていたのに、いざマエストロを目の前にすると用意した単語が全て吹っ飛んで頭まっしろ。 ピアニストのムラロさんもサイン会に加わってくださっており、長身、大きな手長い指で握手、しかもアイコンタクトで笑顔、というのにドギマギしてしまった。。。 マエストロもものすごく温かい手で握手をしてください、もうもうひたすら恐縮しきり。思いっきり感謝の意を伝えたかったのに。 マエストロもムラロさんもフランスの方、先のサルコジ大統領の弾丸来日、J・バーキンの来日、フランスという国について認識を新たにしているところです。 私の学生時代は確か水爆実験でヴィトン他パリの老舗ブランドから日本人の姿が消える、なんてこともあったのに。(あと日本人は働き蟻、なんて言った首相もいたっけ) 大人になって初めてわかる、オトナの事情、というのか、国の主義政策の違い。 20代の学生時代のコムスメもどきではとうて太刀打ちできる国ではなく、「パリは大人になってからいくべし」と避けけてた国ですが、世代の峠越えカウントダウン、そろそろようやく見合う歳に近づいたのかなぁ、なんてね。 とにもかくにも、音楽ってやっぱり素晴らしい、音楽聴ける喜びを身体で感じた午後でした。 あ、でもオペラシティ・マチネ、平日夜のサントリー定期のかなり客層違うので、ケータイ鳴ったり、落下物の音したり、いびきに邪魔されたりで、平日仕事帰りリーマンの聖地とはかなり様相が違うことはリマインドしておくべきかな(笑)。 ※FMでN響聞いてますがSir.ノリントンも来日なんですね。追悼曲はエルガーか。 ピリオドって、中継だとすごくアマオケっぽくきこえるわ。
by felice_vita
| 2011-04-16 18:21
| 国内オケ
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