偉大な芸術家への追想@大阪倶楽部

ピアノ三重奏曲を楽しんだ金曜日の夕べ。
ヴァイオリンはもちろん大フィル首席コンマスの長原幸太君、チェロは女学院・相愛の先生をしていらっしゃる林裕さん、ピアノは関西出身のハセキョウ顔負けの美貌、鈴木華重子さん。
プログラムはまずはモーツァルト ピアノ三重奏曲変ロ長調K502。
この作品はモーツァルト30歳の作、そう亡くなる3年前に書かれた曲。世の憂いを全て消し去り、後に残るは人生への達観、の見本のような作品です。さわやかで憂いがない。心地よくストレスなく終了、梅雨の合間にふさわしい1曲。
そして休憩を挟んでチャイコフスキーのピアノ三重奏曲イ短調作品50「偉大な芸術家の思い出に」。
この曲に出会えたことに感謝。前半のモーツァルトが、朝一番のNHKラジオ体操のさわやかさを湛えているとすれば、この曲は東海放送制作の昼ドラ級の濃ゆい作品。こちらもチャイコフスキー52歳の作、亡くなる2年前の作曲です。彼が尊敬してやまなかった友人であり偉大なるピアニスト、ニコライ・ルビンシテインを称え偲んで作った作品で、彼の集大成といっても過言ではありません。ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、「悲愴」をはじめとする大作のエッセンスがすべてこの1曲につめられたような名曲。もちろんそれも、すばらしいヴァイオリン、チェロ、ピアノの演奏家が揃ってからこそ実現したものなのだけど。
3人が3人とも素晴らしい。それしか表現しようがありません。金曜の夜をこれほど楽しませてくれる曲はないでしょう。3重奏でもフルオーケストラに劣らないどころか、名演奏ともなるとそれを凌駕します。

さて、ここらでワイドショー的感想を。
長原幸太君は氷川きよし&ヨン様のファン層、林さんは20代半ば~30代半ばを悩殺するフェロモンを発散(テノールの福井敬さんと似ていらっしゃる)、鈴木さんに至っては演奏で殺し見目で悩殺。3人3様で固定ファンがいるようです。
長原君を見ていると弟と、弟の血をひく甥っ子を見ているようです。演奏に入ったときに表情から何から一変に変わるところがまたすごい。

大阪倶楽部のコンサート主催側へはあちこちから不満が噴出したところでしたが、名演奏でそれも帳消しです。
アンコールのチャイコフスキーアレンジメドレーで、8月の大フィル狭山公演、長原君がソリストをつとめるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲がますます楽しみになりました。
[PR]
by felice_vita | 2006-06-10 00:19 | ソロ、リサイタル
<< W杯開幕戦、眠れない、眠るわけない 西田猛氏(50)胃がんで死去 >>