豊饒の大フィル第403回定期

定期第1日目を聴いてきました。
ブランデンブルクを生で聞くのは5年ほど前のゲヴァントハウス以来です。私はソロ楽器で聴くバッハのほうがどちらかといえば好きなので久しぶりのオケバッハです。

11月16日(木)・17日(金) 19:00開演
第403回定期演奏会
大阪 ザ・シンフォニーホール
指揮:ヘルムート・ヴィンシャーマン
J.S.バッハ/ブランデンブルク協奏曲 全曲
第1番 ヘ長調 BWV.1046
第3番 ト長調 BWV.1048
第2番 ヘ長調 BWV.1047
第5番 ニ長調 BWV.1050
第6番 変ロ長調 BWV.1051
第4番 ト長調 BWV.1049

本日は小編成の大フィル定期。指揮のヴィンシャーマンさん、長身痩身かつ顔が小さいので10頭身、よくアイドルの顔を「手のひらに入るくらい小さい」と表現していますが楽々手のひらで頭から首まで覆えそう。手が大きくて指が長いと指揮棒などいりません。彼の手全てが幾本もの指揮棒です。そして指揮棒となる両手を広げた空間でも奏者への指示を出しているよう。激しく動くこともなくゆったりとした指揮からオケはまるで魔法にかかったかのようで、「大フィル」というより「ヴィンシャーマンオケ」の風情です。おおらかで温かい、でも細かいところにも行き届いているのはヴィンシャーマンさんの指揮と、オケを信頼し個人に委ねている部分が多いのでしょうか。
1曲終わるごとに観客よりも早く、”Bravo”と拍手、ソリストを舞台前に呼びだしてねぎらい。女性奏者には手をとりそのまま紳士のくちづけ。プログラム最後の4番終了後は長原くんを大きくハグ。身長だけでなく心の幅も大きい方で、大フィルを大きく包みこんでくださいました。

今回はオケだけでなくスタッフも大活躍。1曲終わるごとに椅子、譜面台、全てのレイアウトを変えるわけですから大変!でもここでも演奏だけでなく名人芸を見せていただきました。手品のように椅子を並べ替えそしてソリスト用に前に並べられた譜面台の高さはそれぞれ違う。各ソリストに合わせた高さなのですね。こちらもプロのお仕事でした。

さて、演奏について。
コンマスは言うまでも無く長原くんです。2ndトップは美奈ちゃん、Vcは出演はフルメンバーですが少編成のときは秋津さんと近藤さん。トランペットソロは秋月さん、フルートソロは野津さんが入っていらっしゃいました。
トランペットは大変な楽器ですね。単音しかなく音もこもらずまっすぐに飛ぶためミスしたらごまかせない。演奏者の緊張は客席にも伝わってきました。でもあの高音で続くパッセージ、聴く側も緊張しましたが終わって客席も一緒にほっとしてました(笑)。
前半の1-3-2の後休憩に入り後半は弦メイン、待ちに待った大フィルの弦を堪能です。管の話題はスルー(苦笑)
ヴィオラ主体の6番、聴き応えアリアリで素晴らしかった!普段ヴィオラソロがあっても、高音楽器なしにここまでヴィオラだけを聴く事はそうそうありませんからこういうところで実力をガンっとみせてくれるのがうれしいです。ヴィオラの音色は近藤サトさんの語りを聞いているような落ち着いた色気がありますね。
そして客演のチェンバロ、最高でした。いろんな曲でチェンバロを聴きますが今回の演奏ほど押し出すところはきちんとアピールして引くところは的確に支えに回る、が完全な方は初めてです。非常に冴えた方です。常に正確にリズムを刻み、そのたおやかな音色は”はあと”に優しく、聴いていて幸せになりました。今回の定期のイチオシです。
チェンバロに加えヴィオラ・ダ・ガンバ、リコーダーの方が本日の客演でした。皆様おっとりとした佇まいで演奏に余裕があります。バロックする彼らの周辺にはかの時代のムードが漂っていました。リコーダーの小柄な女性の方、満面の笑顔が素敵でした。あんな笑顔されたらこちらも微笑まずにはいられません。

ところで長原くんのヴァイオリン。
友人とも話していたのですがこれが銘器の実力というものでしょうか、良い音で鳴るようになってきてますね。銘器は奏者を選ぶといいますが、長原くんの性格でしょうか?既に楽器と一体化、これからどこまで伸びるのでしょう。そのうちtuttiに入れなくなるかも。
ところで銘器にはよく愛称がついていますが彼のアマティにもあるのでしょうか?? なければ勝手に命名、デストゥリエーレ(駿馬)なんていかがでしょう??

定期の終了は9時半。いつもより30分遅いです。30分遅れでお食事へ。11月16日はボジョレーヌーボーの解禁日、ということで店内も満席。そしてこの日のみ、2500円でボジョレーヌーボー各種飲み放題、3500円でお料理食べ放題(前菜からデザートまで)、ものすごい大盤振る舞いです。はっきりいって赤字です。友人と共に(病み上がりのくせに)さらにお店の赤字化に拍車をかける客として飲食してきました。軽いボジョレーしかもヌーボーは胃にも負担がないものでどんどんグラスが進みます。でもあれだけ飲んだのに2日酔いがまったくないのもこのワインゆえですね。解禁日にしてフルボディ派の私にとっては飲み納めのボジョレーヌーボーでした。

ヴィンシャーマンさんのお人柄、大フィルの演奏に心地よく酔い、ワインと美味しい食事で気分よく1日を終えました。
[PR]
by felice_vita | 2006-11-17 12:10 | 国内オケ
<< 大フィル 2007/2008 ... 神童の軌跡 >>