カテゴリ:オペラ・オペレッタ( 49 )

みつなかオペラ「ラ・ファヴォリータ」

あらためて。
みつなかはやっぱすごい。

G・ドニゼッティ<オペラ・セリア>シリーズ
~そしてヴェルディに至る悲歌劇の世界~Ⅱ
第20回みつなかオペラ 歌劇「ラ・ファヴォリータ」
2011年9月24日(土)
指揮:牧村邦彦
演出:井原広樹
合唱指揮:岩城拓也
管弦楽:ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団

<CAST>
アルフォンゾⅡ世(バリトン):藤村匡人
レオノーラ(ソプラノ):並河寿美
フェルナンド(テノール):藤田卓也
バルダサーレ(バス):片桐直樹
ドン・ガスパロ(テノール):小林峻

私は1日目の観劇でしたがソリストが素晴らしい。ソプラノの並河さん、テノールの藤田さん、バスの片桐さんが黄金の3トップ。生オケにバレエ、美しい舞台、合唱、このクオリティ。さらに進化しています。
客席の盛り上がり、拍手のタイミングもラテン的で、きっと東京だったら「オケの演奏が終わってからにしろよ」とどっかから苦情が寄せられそうだが、これぞ生で素晴らしいものに接した時の素直な表現だと思う。
自然に湧き上がってくる驚きと興奮に手が痛くなるほど拍手、大声で叫ぶ自信はないので心の中で何度も何度もブラヴォーと叫ぶ。

初めて聞く・観るオペラでしたが、上記のように整えられた環境下での観劇となると事前学習なくとも自然に体がなじみました。ドニゼッティらしさが節々に表れており、テノールはしょっぱなから高音域の連続で歌える人見つけるのも大変でしょう。でも藤田卓也さん、文句なし。彼が歌った後のあの拍手、あの盛り上がり、今思い出しても興奮します。
(藤田さん、ブログを拝見、お人柄も素晴らしい。
http://takuya-tenor-fujita.blog.ocn.ne.jp/

並河さんの素晴らしさは言うまでもないのですが、このはまりすぎるキャスティングの妙。
うーん、すごい。

今日は2日目千秋楽、昨日とはソリストも総入れ替え、どんな舞台になるのでしょうか。見られないのが残念。
来年はルチア。絶対行きたいです。
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by felice_vita | 2011-09-25 09:54 | オペラ・オペレッタ

オペラ『愛の妙薬』@新国立劇場

寒いわ、雨だわ、スポーツクラブも休みだわ。午後から事業仕分け第2弾を見てたんだが、なんか物足りないというのか、昨日のブル5で勢いがついて、猛烈になにか聴きたくぶらあぼをめくり、思い立って当日券で新国にオペラ見に行ってきました。そういや昨秋のスカラ座以来ぜんぜんオペラ見てなかったし。
こういうことができるから東京っていいなぁ。

2010年4月23日(金)18:30~@新国立劇場
ドニゼッティ『愛の妙薬』<新演出>
指揮:パオロ・オルミ
演出:チェーザレ・リエヴィ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
<ソリスト>
アデーレ:タチアナ・リスニック
ネモリーノ:ジョセフ・カレヤ
ベルコーレ:与那城敬
ドゥルカマーラ:ブルーノ・デ・シモーネ
ジャンネッタ:九嶋香奈枝 
合唱:新国立劇場合唱団

ポップな舞台、衣装です。合唱は女声はイエロー、男声はオレンジ、髪の毛は地毛の黒、ソリストの衣装はジャンネッタは白とピンクでウィッグがプラチナ、ネモリーノは緑と黄色でウィッグが赤、ベルコーレは白の軍服にウイッグが紫、ドゥルカマーラはオレンジにウィッグが緑(マッド・サイエンティスト風)、あと妙薬売りのお姉ちゃん2人(メルモちゃんみたいな)は全身真っ赤、たぶんバレエとか演劇要員?(スタイルいいし)

楽しいオペラで気張らず気負わず見られるのでよいですね、愛妙は。でも主役2人の歌、大変です、ドニゼッティは歌手泣かせだわ。ラスト、ネモリーノに愛を告げるシーンの歌いっぱなしアディーナ・リスニックさん、カレヤさん(このお二人、実際にご夫婦らしい)の手をしっかり握って「あとちょっとなの、私の歌、がんばるから応援して!」って見えてしまった。

テノール・カレヤさん。評判どおりの美声です。しかもスピントというよりも、ウェットな感じ、空気中の湿度と呼応している声というのか、劇場に共鳴しやすい声というのか、あまり無理しなくても響きで持っていけるような声です。とっても自然。素直でちょっとお馬鹿なネモリーノを好演されてました。「人知れぬ涙」は大喝采!

アディーナ・リスニックさん、愛らしくありながらもさっぱりしたアディーナ。

バリトン・与那城さん、外国人キャストに混じってもまったく見劣りしない声に容姿!
彼、日本オペラ界の小栗旬だわ。
しかも、桐朋のピアノ科卒業後声楽の方に進まれたということなので、音楽に対する感性、理解についても問題なしということで。
今後の彼にますます期待しませう。

「草食男子」「肉食女子」という言葉が流行ったおかげ?で、ネモリーノの正確がものすごくわかりやすく、またおじさんの遺産が入って金持ちになったネモリーノへの態度が180度転換する村娘たちは思いっきり肉食女子とか歴女とかそっち系で好対照。

で、やっぱり一番はドニゼッティの音楽。うまいなぁ。ルチアとかアンナ・ボレーナと同じ要素を使って見事に喜劇。
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by felice_vita | 2010-04-23 23:25 | オペラ・オペレッタ

年末イタリア旅行2日目の夜

ローマでは音楽鑑賞予定がなかっただけに願ったりかなったり!
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TOCCATA e FUGA 
Magic di Natale a tempo de musica
28 DICEMBRE ore 18.00
AUGURI PER L'ANNO NUOVO
(GOOD THINGS FOR THE CHRISTMAS)

ローマ歌劇場との提携で市が主催しているらしい。
17時半に到着したのですが、階段は既に人がびっしりで座れるスペースがなく、噴水側で開催を待ちます。
そうしている間にも続々人が増えてきます。

そして18時。雨もすっかりやんでます。
サンタクロース色のコートを身に着けたバレエダンサーが登場、音楽が変わりコートを脱ぐと真っ白な衣装!なんて華やかで美しいこと!またダンサーが美しいのです。バレエダンサーですがガタイがよいのにまたびっくり。
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そしてバレエが終わるとテノール登場です。リハでマイクチェックしてたのは1人だけだったので1人だけかと思ってたら3人が交代で登場。三大テノールですよ~ しかも揃いも揃ってすっごいエエ声です。
ファビオ・アンドレオッティ Fabio Andreotti: 見事な体躯に見事な声。パラヴォッティを更にスピントにした力強さと輝きを兼ね備えたスーパー・テノールです。
ジョルジオ・カシアッリ Giorgio Casciarri :こちらも見事な体躯ながら、ご自身はリリックな歌を好まれるよう。
ジョルダーノ・ルッカ Jiordano Luca:一番小柄な方なのですがその声量といったら!しかもかなりなスピント系テノールであり、ハイCも軽々とこなされます。ボエームのロドルフォが容姿的には一番ぴったりかな。
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披露されたのはトスカ、トロヴァトーレ、カルメン、アイーダ、ボエーム、トラヴィアータから名アリアを、そしてグラナダ、カタリ、アッリヴェデルチ・ローマ。締めはオー・ソレミオ、そしてそして誰も寝てはならぬで、観客大絶叫!!!
生で三大テノールの夕べを体験でき、至福のときでした。
特にファビオ・アンドレオッティさん、もう一発でファンになりました。こんな声のひとがここにはわんさといるのか・・・ 恐るべしローマ。(ってかイタリア)
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約1時間半のコンサートが終わり、興奮冷めやらぬ状態、またまた夜のローマをうろうろ。このあたりにブランドショップが固まっているので観光客は一向に減りません。ルイ・ヴィトン前に人だかりができているので何かと思えば、遅い開店を待っている人たちでした。
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by felice_vita | 2009-12-28 23:58 | オペラ・オペレッタ

2009 スカラ座来日公演 「ドン・カルロ」

スカラ座は世界最高峰のオペラなり。
演目に敬意を表しスペイン料理店でアフターオペラの余韻を楽しむも圧倒され興奮しすぎて言葉がない。ただいま帰宅。
当分本邦発信オペラは聴けそうにないっすよ。

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ミラノ・スカラ座『ドン・カルロ』全4幕
指揮:ダニエレ・ガッティ
演出・舞台装置:シュテファン・ブラウンシュヴァイク
衣装:ティボー・ファン・クレーネンブロック
照明:マリオン・ヒューレット
合唱指揮:ブルーノ・カゾーニ

フィリッポⅡ世:ルネ・パーペ
ドン・カルロ:ラモン・ヴァルガス
ロドリーゴ:ダリボール・イェニス
宗教裁判長:アナトーリ・コチェルガ
修道士:カボール・ブレッツ
エリザベッタ:ミカエラ・カロージ
エボリ公女:ドローラ・ザーシック
テバルド:カルラ・ディ・チェンソ
レルマ伯爵:クリスティアーノ・クレモニーニ
国王の布告者・カルロ・ボージ
天の声:イレーナ・ベスパロヴァイテ
フランドルの6人の使者:フィリッポ・ベッストキ、アレッサンドロ・パリャーガ、エルネスト・パナリエッロ、
ステファノ・リナルディ・ミリアーニ、アレッサンドロ・スピーナ、ルチアーノ・バティニッチ
※代役ニュースをきいて「ええっ」て思ってたけど、ダブルキャストがシングルキャストになる程度。かつミラノの本公演と違うのはフィリッポ2世がF・フルラネット→R・パーぺな位で(私にはこっちのがうれしい)最高の布陣での来日。

f0041305_652512.jpg一番期待のルネ・パーペさま、2年前聴いたベルリンのとおり、すっかりフィリッポ2世はレパートリーです。「王妃は私を愛していない」、涙なしには聴けませぬ。
キャストは全員すごかったけど(なんてったってタイトル・ロールが一番平凡に聞こえたんだから)群抜いてたのはエボリ公女。ロドリーゴ&ドン・カルロの3重唱では頭3つはリード。男性2人たじたじ。すっごい迫力。ヴェールの歌の歌いだしで既に違い、声が一人抜けてました。第1声で、ポーン!と風船が破裂するような。破壊力メガトン級の声。全音域どこをとっても文句の付け所がない。王妃に懺悔したあとのアリアは独壇場。拍手が自然に出てしまう。
が、なんというか、アナウンスで「音楽が完全に終わるまでは拍手はお控えください」に萎えましたよ・・・これってどうよ!?なんかすっごいつまんないよ。オケの演奏会ならありだけど、オペラでこれはなしでしょ。歌手が歌っていてもすばらしけりゃ最後の声とかぶるようにブラヴォーとか拍手かぶるのが普通だと思うのだが・・・

そしてオケ。ヴェルレクもすばらしかったけど今晩はそれ以上、どころかまったく別人。
指揮が違うからか、もうよく鳴ることといったら・・・ため息。マエストロ・ガッティ、次期スカラ座音楽監督に一番近いでせう。
東京文化会館、音響いいですね。オペラやるには変な残響がなく、新国より好きだわ。舞台も見やすいし。3年前に夢遊病見たのだけどそこまで印象に残ってなかった。。

イタリア・オペラでは群を抜いてすきなのがこのドン・カルロなのですが、今回見て、やっぱりタイトル・ロールのドン・カルロはキャラクター的にダメダメ(性格が)、ヴェルディが力を入れたのはフィリッポ2世とかロドリーゴとか宗教裁判長とか脇(非タイトルロールで非ソプラノ&テノール)なんだなぁと実感。ともに生き、ともに死のうの2重唱は何度聞いても名曲だがアイーダの「清きアイーダ」と同様、幕開けから割りと早い時期にあるので歌い手にとってはまだ喉も温まってないうちだから結構きついよなぁ、、、

f0041305_9162279.jpg(この写真はスカラ座のWebsiteから拝借)スカラ座ですごいのは色彩感覚。担当者氏名を見るからにはドイツとかスイス人みたいだが。。。日本人はもちろん、非イタリア人では到底無理な美しい色彩感覚に今宵も酔いました。シンプルなのにとことん美しい。これぞ美学!
可能なら明日も見に行きたい・・・
ほんま、ありがとう、スカラ座!「オペラは人生を狂わすよ」と忠告されたのにもかかわらずはまってしまったが、スカラ座のオペラは「見てしまった」というのにふさわしい衝撃。ますますラ・トラヴィアータな女になってしまふ。





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帰りし、10分ばかり雨をしのいで上野出発。でもオケの皆さんはハケが早くって同じ電車にもヴィオラのイケメン奏者が!”すばらしかった”と口だけでつぶやいたところ”Grazie!!”の声。私は神田で中央線乗り換えだったんだけど、そこでも盛大に手を振ってくれて「明日もがんばってね!」と声をかけたところ、通り過ぎる電車の中からずっと手を振ってくれてて感涙。。。なんて人懐っこいんだ!
イケメンに弱い私。明日もし見にいけたなら(予定あるから無理だけど)イケメン一人で5万円を稼ぐ奏者だわね。
イタリアってすばらしいわ!!!
私の年末計画、限りなくイタリアが有力ですよ。スカラ座、オペラはないけどバレエで春の祭典、指揮はハーディング!
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by felice_vita | 2009-09-13 00:33 | オペラ・オペレッタ

スカラ座来日公演キャスト変更

3晩連続浴びるように飲んだ上に昨日は送別会。
幹事だったのに後半からすでに記憶がなく、2次会にもどうやって参加したのだか謎。どうやって帰宅したのか・・・
今日はさっさと帰宅しメールチェックしてたらスカラ座のキャスト変更のお知らせが。
アイーダ、ドン・カルロとも、ダブルキャストがほぼシングルキャスト。

R・パーぺ様が全公演歌うってわかってれば13日のフリットリがエリザベッタ歌う日にしとくんだった。
もう来日してるのでしょうか。


<アイーダ>
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▼9/4(金)公演 エジプト王役
 『マルコ・スポッティ』は『カルロ・チーニ』に変更となりました。

▼9/6(日)公演 エジプト王役
 『カルロ・チーニ』は『マルコ・スポッティ』に変更となりました。

▼9/9(水)、9/11(金)公演 ラダメス役
 『ワルター・フラッカーロ』は、喉の炎症による音声障害のため
 出演できなくなりました。代わって『スチュアート・ニール』が演じます。
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<ドン・カルロ>
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▼9/8(火)公演 宗教裁判長役 9/13(日)、9/17(木)公演 フィリッポ2世役
 『サミュエル・ラミー』は体調不良により降板することになりました。
 代わって全公演の宗教裁判長役を『アナトーリ・コチェルガ』が、
 全公演のフィリッポ2世役を『ルネ・パーペ』が演じます。

▼9/15(火)公演 エボリ公女役
 『ドローラ・ザージック』に代わり、ダブル・キャストの
 『アンナ・スミルノヴァ』が演じます。

▼9/12(土)、9/15(火)公演 ロドリーゴ役
『トーマス・ヨハネス・マイヤー』は急病のため来日できなくなりました。
 代わって『ダリボール・イェニス』が全公演のロドリーゴ役を演じます。
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by felice_vita | 2009-09-01 19:50 | オペラ・オペレッタ

『小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトX』出演者変更のお知らせ

なんてこった。。。
バーバラ・ボニーがウイルス性流感のためキャンセル。
ウイルス性・・・って、これってもしかして新型インフルエンザか???
眠りの精/露の精の歌手も妊娠のためキャンセルらしい。
ひどいよなぁ。公演日、かなり前から分かってたはずなのに。
(バーバラ・ボニーはもしかしたら、と理由は何であれキャンセルの可能性はキャスティング当初からありかと思っていたけど)
小澤さん、ヘルニアの術後は大丈夫なのかしら。
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by felice_vita | 2009-06-30 22:52 | オペラ・オペレッタ

「ムツェンスク郡のマクベス夫人」@新国立劇場

期待通り、いや、期待を上回る素晴らしいオペラでした。

2009年5月1日(金)18:30~@新国立劇場
ショスタコーヴィチ オペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
指揮:ミハイル・シンケヴィチ
演出:リチャード・ジョーンズ
美術:ジョン・マクファーレン
衣装:ニッキー・ギリブランド
照明:ミミ・ジョーダン・シェリン
振付:リンダ・ドベル
再演演出:エレイン・キッド
舞台監督:大澤裕

合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団
<キャスト>
ボリス・チモフェーヴィチ・イズマイロフ:ワレリー・アレクセイエフ
ジノーヴィー・ボリゾヴィチ・イズマイロフ:内山信吾
カテリーナ・イヴォーヴナ・イズマイロヴァ:ステファニー・フリーデ
セルゲイ:ヴィクトール・ルトシュク
アクシーニャ:出来田三智子
司祭:妻屋秀和
警察署長:初鹿野剛
ソニェートカ(女囚人):森山京子


優れたオペラとなった訳。
1.音楽
2.演出
3.ソリスト
4.指揮
5.オケ

演出は2004年ロンドンはコヴェントガーデン、ロイヤルオペラハウスのプロダクションで初演され、スカラ座でも上演されたとか。人の使い方がとてもうまく、時に舞台のセットのように、時にマスゲームのように、人員が配置されあきさせない。セット、そしてピンポイントで色彩のパレットになる衣装がいかにもキッチュ。
幕が上がると舞台上にある部屋が、前場面では隣だったものが今度はメインの舞台に、という風にまるでイズマイロフ家の見取り図をみるように展開される。執務室にぎっしりと詰め込まれる使用人たちの多さといったら、いかにも共産主義ソビエト連邦の、労働者は多いけど効率は・・・というところを風刺しているのか、むかーしあった、アニメ・シャーロック・ホームズに出てくるいつも大人数でわいのわいのとかけつけるスコットランドヤードの人たち(犬たち?)みたい。

ソリストの声量といったらもうすごいのなんのって!広いオペラハウスの隅から隅まで一ミリ単位で埋め尽くすような主役カーチャ役のシテファニー・フリーデさん、脱帽。このオペラ、声量がないと完全にオーケストレーションに負けます。ヴェルディとかワーグナーのドラマティコ以上に体力勝負。

ショスタコーヴィチの音楽。いかにも!何度か書きましたが、ショスタコーヴィチを聞いていつも感じる相反する2面が繰り返し押し寄せ、記憶に刷り込まれる。はまったら最後抜けられない。特に休憩後2幕上がっての結婚式のシーンでガンガン鳴らさせる音楽は、これ、政治の何かのプロパガンダに使われたら間違いなく人民の思想が誘導されそうな危うさを秘める。
下手2階サイドに設置されたバンダ隊席、ところがバンダ隊はここだけではなく、舞台上にも始終衣装を替えながら登場してぴりりと締める。

この公演に間に合うように読み始めた、亀山郁夫+佐藤優『ロシア 闇と魂の国家』(文春新書)だったが、これは読みやすい文体ながらも内容がとてつもなく濃いため、流し読みするわけにはいかず、ひととおりはなんとか最後まで読んだものの、ロシアの深さゆえ、再度読み直しているところ。
ロシアは一筋縄、どころか三筋縄でもいかない。

この作品、あらすじを読んだときは、ショッキングな内容にオペラだとどうなるものか、と危惧していたのだけど、実際に鑑賞したらまったく違う。あらすじでは暗く救いの無さを感じさせるのに、オペラ鑑賞後の感想は、さわやかな陰湿、空虚な絶望、例によってショスタコーヴィチの音楽を聴いて感じる感想そのままがオペラを見終わった後にもあてはまる、不思議な感覚。
3月の「カルメル会修道女・・・」の救いの無さとはまったく次元の異なる、救いの無さ、といってよいのかどうかも分からない、それでもこの世界は続く・・・といった不安定な足場に立つ、でありながら一種の均衡を保った絶望感というのかなんというか。

『ロシア 闇と魂の国家』に出てきたロシア正教のキリスト感と、ロシア独特の人生観(とはまた違うんだけど、ううん、ぴったりな言葉が見つからない。)
Show must go on じゃないけど、それでもかくのごとくロシアは続く・・・

明朝は朝一フライトで帰省のため今日はこのあたりで。
とりあえず、あと3回ありますので、既に予定に入れている方は期待してご覧いただき、どうしようか迷っている方はぜひご覧になっていただきたい。

あ、最後に。
東京交響楽団、GJでした!
指揮のシンケヴィチさん、私は若杉さんより彼のほうがありがたかった。
全2幕、しかも1幕は6:30スタートして8:20までという約2時間という長丁場をまったく飽きさせることなく、客席の息を潜めさせるばかりの緊張感ある、素晴らしい演奏を聴かせてくれた指揮者、オケに感謝。
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by felice_vita | 2009-05-01 23:59 | オペラ・オペレッタ

METを無料で楽しむ3日間

METのメルマガで標記の件が告知。
5月1日-3日の3日間、ストリーミング配信で自由に見たい放題。直近の20作品、豪華ラインナップです。
詳細は以下にて。
http://www.metoperafamily.org/metopera/news/news_flash.aspx?id=8614
日本時間と現地時間の時差にはご注意を。

私としてはネトレプコのルチアが気になるところ。
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by felice_vita | 2009-04-30 20:03 | オペラ・オペレッタ

歌劇「トゥーランドット」@神奈川県民ホール

神奈川県民ホール・びわ湖ホール・東京二期会・日本オペラ連盟共同制作公演
2009年3月28日(土)14:00@神奈川県民ホール

指揮:沼尻竜典
演出:粟国淳
衣装:横田あつみ 衣装:合田瀧秀 照明:笠原俊幸
振付:松原佐紀子 音響:小野隆浩(財団法人びわ湖ホール)
舞台監督:大澤裕、牧野優(財団法人びわ湖ホール)
<キャスト>
トゥーランドット姫:横山恵子
カラフ:水口聡
ティムール:志村文彦
リュー:木下美穂子
アルトゥム皇帝:近藤政伸
ピン:晴雅彦 
パン:大野光彦
ポン:大槻孝志
役人:与那城敬

合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル・二期会合唱団
児童合唱:赤い靴コーラス
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

28日、29日とでダブルキャストのため、いずれの日にするかを大変迷いました。トゥーランドットをとるか、カラフをとるか。結局トゥーランドットの横山さんをとって28日を選択。
カラフがなぁ・・・中音域は安定してるのですが高音になると・・・これは好みの問題なんですけど。スポーツじゃないけどフィジカル的に日本人にはきついですね、この役。体力勝負。無敵の喉。
1幕でトゥーランドットを垣間見て彼女にすっかり魅了され、トゥーランドット!×3回名を叫ぶところ、カラフよりもペルシャの王子の声の方がよかったような気が。(ちなみに影声はびわ湖の竹内直紀さん)

姫(期待通り)とリューは安定していました。若手テノールのホープ与那城さん、あのマスクからもっと甘い系を予想していたのが硬派な声だったのが意外。近未来の衣装もよくお似合いで、これから年とともにどんどん声にもお芝居にも磨きがかかりそう。あとアルトゥム皇帝、舞台後方で歌われるときでも声がよく通る美声、存在感もあって今日のキャストの私的ベスト1です。
合唱はさすがに、うまい。むしろうますぎる、整いすぎたのが瑕疵って言える位。熱いものが伝わる前にそろい過ぎ。
北京のポポロ、残虐性をあわせ持つにはあの統制の取れすぎた合唱は冷静すぎて・・って贅沢ですかね。
でもプーティン・パオ、や、名前を告げろ、を連呼するところ、何度目になってもやっつけ的だれたところが出ない、さすが。

リューの死のところでは、あちこちからすすり泣きの声が。1幕の”お聞きください・・・”は1つ1つの音符を丁寧に歌いすぎてアリア全体としてのメロディのよさが消えてしまってましたが、3幕”氷のような姫君の・・・”になると断然声の調子が上がっていました
ところで木下さんの後援会ってすごいんですねぇ。ホールは行ってすぐにお花も届いているしチラシの中に後援会入会のご案内も入っていたわ。ブラヴァの声かかったの、木下さんだけだった。

でもでも。
本日の大殊勲はやっぱり指揮の沼尻さんです。
いやぁ、指揮者って仕事はかっこいいなぁと初めて思いましたよ、指揮者ってすごいって思うことはあってもかっこいい、って思ったことはあんましなかったんで。
私は3階の片翼前方でちょうどオケピットもよく見えて、特に幕の終わりは音楽も盛り上がるので、そのあたりからはむしろ舞台上よりも指揮とオケばっかり見てました。歌い出しの棒入れとかクライマックスに向けて怒涛のように揚げるところ、キャーってかんじですよ。
終演後、沼尻さんが急ぎ足に舞台に向かわれた後、オケも一斉にハケるのでオケもカーテンコールにのるのか?と思ったらそうでした。
ソリストがカーテン前でカーテンコールを済ませた後に幕があがると、オケのみなさんが舞台前方から後方まで段々にずらり。特に前方金管隊のみなさん、楽器を「砥石を回せ」の装置に見立ててえっこらさ、のポーズ。とってもいい雰囲気でした!

神奈川県民ホールからは横浜港が一望でき、びわ湖ホールとはまた違った味わいのある借景。
終演後は港に沿って散歩して中華街に出て豚まん食べて帰ってきました。横浜ってほんと神戸とおんなじだ、とデジャヴです。
横浜、いいなぁ。県民ホール、なんとなくフェスを思い起こさせるし。

舞台セットも衣装もとっても凝っていて、びわ湖2回、神奈川2回で終わってしまうのが本当にもったいない・・・ もう1箇所、愛知あたりを増やせないものでしょうか。

昨年は神奈川県民ホール・びわ湖ホール、確かベルリンコーミッシューオーパーのアンドレアス・ホムキ演出、CoProでのばら騎士で、まだ東京にきたばかりで泣く泣くスルーしてしまったのですが、やっぱりすごくよかったみたいで見なかったことを後悔。今年はトゥーランドットでしたが、来年は再びベルリン・コーミッシュ・オーパーの演出家(まだそのはず)アンドレアス・ホモキ演出でボエームだそうです。
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by felice_vita | 2009-03-28 20:29 | オペラ・オペレッタ

スカラ座のドン・カルロ!

2度の先行発売、しかも席種をいろいろ交えてトライしたのに、いずれも外れてしまい、本日の一般発売が最後のチャンスでした。
10時からネットと電話の両刀遣い、なんとか10時6分につながり、B席ゲットできました。
よかった~
世の中不景気と言われながらもさっすがスカラ座来日公演となると違いますな。
ドン・カルロはイタリアオペラのなかでダントツ愛するオペラ、しかもフィリッポ2世がルネ・パーペ様でございます。ムーティ指揮のDVDだけでもあの重厚なアンサンブル、舞台はお見事でしたから、それが生で見られるとなると、もういまからドキドキもんです。
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by felice_vita | 2009-03-28 10:32 | オペラ・オペレッタ