カテゴリ:ソロ、リサイタル( 35 )

ピアノ四重奏@調布市グリーンホール

なんとコンサートに行くの、1ヶ月以上ぶり(変な日本語だ)です。

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2010年6月5日(土)14:00@調布市グリーンホール
<ピアノ四重奏>
ピアノ:小菅 優
ヴァイオリン:樫本 大進
ヴィオラ:川本 嘉子
チェロ:趙 静

♪モーツァルト:ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調K.493
♪シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調op.47
♪ブラームス:ピアノ四重奏曲第2番 イ長調op.26
♪♪アンコール:ブラームス ピアノ四重奏曲第3番より第3楽章

豪華なメンバーです。ホール内の客席もびっしり人人人で埋め尽くされてます。
4人の若さとパワー、集中力がすさまじく、熱のこもった演奏に客席も思わず身を乗り出す人もちらほら。全体的に年配者が目立つものの、そこは桐朋学園のお膝元、若い世代もかなり多いです。

演奏は、素晴らしい、ブラヴィ!!!
特にシューマン、涙してしまいましたよ。
樫本氏、ベルリンフィルのコンマス就任からまもなく1年が経とうとしていますが、このキャリアは彼にとって非常に有益なものと思われます。舞台上の貫禄が、なんというのか、熊川哲也氏のように、演奏はもちろん、演奏家全員に対する目配りが利いていて頼もしい。でありながら、カンタービレではとことん歌い上げる。彼の旋律を歌い上げる力は、数多きソリストの中でも限りなく頂点に近いのでは。シューマンの3楽章、そしてブラームスの2楽章、彼のパートになった途端、甘美で心を鷲掴みにする音色で場内の温度が変わるような感じ。

全体のチームワークがとてもよくて、演奏が終わってから4人勢ぞろいし舞台袖に引っ込まれるとき&登場されるときも和気藹々、仲の良さが伝わってきます。(小菅さんと樫本氏って日本語で会話するのかな。やっぱドイツ語かな)

小菅さんのピアノ、初めて聴きましたが、想像していたよりもかなり繊細で緻密に計算されています。性格も裏表なさそうというのか、浅田真央ちゃんみたいだ。なんか和みます。緑のくっきりした色味のドレスでしたが、彼女の色って緑ですよね。

あとの2人は言わずもがな。
趙さんはハイウエストの上が黒、下が黒味がかった紫のドレス、川本さんはエスニックで、4人とも個性がはっきりと衣装にも表れています。

いいもの聴かせていただきました。
これまで毎週1回はコンサート通いという生活をしていたところから一気に無コンサート生活、とはいえ結構他に趣味が広がって、またこうしてたまに聴く音楽に対する自分自身の集中力も増してきた気がします。
やっぱ生はいいなぁ。
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by felice_vita | 2010-06-05 17:39 | ソロ、リサイタル

ワディム・レーピンVn@トッパンホール

「ヴァイオリンの王道をひた歩む ワディム・レーピン トッパンホール初公演!」というチラシの見出しがぴったりの、まさに巨匠街道まっしぐらのレーピンでした。

2010年3月30日(火)19:00@トッパンホール
ヴァイオリン:ワディム・レーピン
ピアノ:イタマール・ゴラン

<演奏曲目>
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
ストラヴィンスキー:ディヴェルメント
アルヴォ・ペルト(エストニア1935-):フラトレス(1977)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調op.30-2
<アンコール>
ショスタコーヴィチ:24の前奏曲よりop.34-17(ツィガーノフ編)
チャイコフスキー:感傷的なワルツ
ブラームス:ハンガリー舞曲第7番

2008年12月のゲルギー&LSOのプロコチクルス、また同時期のリサイタルで彼のすごさに度肝を抜かれましたが、本当に1段1段確実に階段を上がっているヴァイオリニストです。今月の大阪でのティーレマン&ミュンヘンフィルを聴いた友人も絶賛しており、本日を本当に指折り数えておりました。
どの曲も魂がこもった、がっぷり四つに組んだ演奏です。ピアノのゴラン氏も伴奏なんかではなくコンビですね、この域にくると。
今回は特に前半2曲が私は好きです。特にストラヴィンスキー。ストラヴィンスキーはバレエを見たことのない曲でも踊りが浮かびますね。ディヴェルメント、第4曲はピアノとヴァイオリンが丁々発止、男性と女性ダンサーがそれぞれ超絶技巧を披露しているような華やかさ。
レーピンの音色はどこをとっても美しい、地声の良い音色で、低音・中声域はフルボディでパンチがあるのだけれど同時に浮力もあって重過ぎない。そして高音の美しさといったら、プロコで宇宙空間に投げ出されたような音色を聴かせてくれましたが、この曲では涙の出そうな切なさと身もだえするような妖艶さを兼ね備えた心揺さぶるものでした。
後半1曲目は祈り、ベートーヴェンは安定した演奏ぶりで会場を沸かせました。

トッパンホールは客層が本当によいです。駅から離れている分ここまで聴きに来るのってよほど好きな人だとは思うのですが、マナーが素晴らしい。小規模ホールの優位さで観客どうしも会場の雰囲気を読めるというのか。

あさってはサントリーホールで公演があるようですが、私はやはりこれくらいの小規模ホールが好きです。昨年はオペラシティでこれぞクロイツェル!という演奏を聴かせてくれましたが、それでも会場は広すぎました。オケの場合は残響とか壁・天井からの反響とか好みもいろいろですが、リサイタルについては下手に響きのあるホールよりも演奏者の音をストレートに聴け、空気を一緒に感じることができる場所がいいですね。

年度末直前、そして勤務も残すところあと1日となった夜、幸せな時間をすごすことができました。

と、ご機嫌で帰ってきたのに郵政亀井案が通ったニュースを見て絶望、この国に将来はないです、もう。
信じられない!第1党でもないのにでしゃばるな!
まるで負けるとわかっていたのに第2次世界大戦に突入してしまった日本再び。
総選挙で非民主、自民が第1党となって、もう一回これやり直して欲しい。
民主党政権になって全然良いことないじゃん!だれか国民新党を現政権から仕分けてくれ!!!!!
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by felice_vita | 2010-03-30 23:32 | ソロ、リサイタル

パノハ弦楽四重奏団@トッパンホール

アドレナリン出まくりのゲルギー(マリインスキー4日間ではばらつきがありましたがショスタコの1日だけでもう十分元はとった感じ)から中2日、2009年シーズンクローズ間近にぴったりのコンサートでした。
トッパンホール、好きだなぁ。

2009年12月5日(土)17:00@トッパンホール
パノハ弦楽四重奏団
1stVn:イルジー・パノハ、2ndVn:パヴェル・ゼイファルト
Va:ミロスラフ・セフノウトカ、Vc:ヤロスラフ・クールハン

ハイドン:弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.76-5 Hob.III-79 《ラルゴ》
フィビヒ:弦楽四重奏曲第2番 ト長調 Op.8
ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 Op.96 《アメリカ》
♪アンコール
ドヴォルジャーク:《糸杉》より第3曲
モーツァルト:弦楽四重奏曲第1番ト長調K80 メヌエット
グルック:ピッツィカート

1971年に活動を開始し38年同じメンバーで演奏を続けているのってすごいことです。
タキシードとか、スーツとか、ではなく、えんじ色(阪急マルーンカラー!)の蝶ネクタイってところがいい!
弦の響きはブリリアントというよりも漆黒。熟したワインというより、まるで琥珀のキャンディを味わっているようです。四重奏で見られる息をつめる緊張感ではなく、お互いを知り尽くしているメンバーだからこそできる曲入り、間合い。いろんな時代を見てこられて今がある、そんな感慨を感じさせる芳醇の音空間でした。
どの曲もすばらしいのですが、やはりアメリカ、特に2楽章は感涙もの。ドヴォルジャークの感慨がメンバーの想いと見事にシンクロしていたのでしょう、この楽章が終わったときはまるでレクイエムの後のような沈黙が生まれました。思えば結成の1971年というとプラハの春から間もないころなのですよね。。。
そして打って変わって3,4楽章、それでも人生は進む、というような。なんだか両手合わせたくなるようなありがたさでした。
アンコールがまたすばらしかった!ドヴォルジャークは、あぁ、これはチェコの人にしかできない演奏であり、一時クラシック音楽はその音楽を生んだ国の民族にしか根底から理解し得ないのか、と達観しかけるような演奏でしたが、次の無限のモーツァルトを聴いて希望ももらいました。
モーツァルト、私はレクイエムしか自宅でCDは聞かないのですが、今回この曲を聴きながら、モーツァルトは国境を選ばない、音楽、芸術のすばらしさは全人類共通に表現できるものなのだ、と感じ、その偉大さをようやく知ったのでありました。

うーん、なんだか得るものの多い演奏会でした。
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by felice_vita | 2009-12-05 21:28 | ソロ、リサイタル

ストリング・クヮルテット ARCO@トッパンホール

SQって男性のお客さんが多い印象があるのですが、今回は女性の方が多い。だからかな、満足度の高さはホール内の温度でなんとなく感じられたものの、派手なブラヴォーもない、静かに余韻をかみしめるようなコンサートでした。

<Pavel & ARCO 若手実力派クァルテットを聴く 2>
2009年7月10日(土)19:00@トッパンホール
ストリング・クヮルテット ARCO
 1stVn 伊藤亮太郎(札響コンマス) 2ndVn 双紙正哉(都響首席)
 Va 柳瀬省太(神奈川フィル首席) Vc 古川展生(都響首席)

ハイドン:弦楽四重奏曲 ヘ短調 Op.20-5 Hob.Ⅲ-35《太陽四重奏曲第5番》
ブラームス:弦楽四重奏曲第3番 変ロ長調 Op.67
ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲第2番 Op.15

ARCOの印象ですが、「強くてしなやか」。
4Hくらいの鉛筆を使って筆圧強く書いても芯はまったく折れずに太く濃い文字を書けるような演奏。
どの曲もよかったですが、休憩後のツェムリンスキーがやっぱり一番か。約35分の大曲を飽きさせずに弾ききったのはお見事。
(なのに、ラストはとっても静かにおわるのに、ホール内に響き渡るいびきが・・・)

SQとオケはほんと別物です。技術とか解釈とか、演奏がどうだったか、というよりも自分のためだけに弾いてもらったような、個人的な密やかな幸福感。SQはこの一言につきる。

トッパンホール、いいホールです。
飯田橋からの移動も大分慣れてきたし。梅田→シンフォニーホールに比べると断然近い。
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by felice_vita | 2009-07-10 22:52 | ソロ、リサイタル

パヴェル・ハース・クァルテット@トッパンホール

2009年6月30日(火)19:00
<エスポワール スペシャル9>
<Pavel×ARCO若手実力はクァルテットを聴く1>
パヴェル・ハース・クァルテット
1stVn:ヴェロニカ・ヤルツコヴァ
2ndVn:エヴァ・カロヴァ
Va:パヴェル・ニクル
Vc:ペテル・ヤルシェク

ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番《クロイツェル・ソナタ》
パヴェル・ハース:弦楽四重奏曲第3番Op.15
ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲第13番 ト長調Op.106
♪アンコール
スメタナ:弦楽四重奏曲第1番 ホ短調《わが生涯より》第3楽章

ストレートに発せられる音を身体で聴く。
室内楽、弦楽四重奏の醍醐味です。
チェコ出身、注目を集める若手SQです。
エネルギッシュで緊張感がぴりぴりと走るのが肌に感じられ、そうでありながらも心を静かに満たしてくれる暖かさ。筆圧の強い、墨絵のような音楽でした。
大編成のオーケストラも心を震わされますが、SQのよさ、というのは自分だけのために弾いてくれているような距離感。大ホールだと音の反響、残響が演奏を大きく左右し、音自体を聴くというより空気の振動を聴いている感じですが、これくらいのホールだと音そのものを聴けている感が。そして観客も運命共同体のように身体中の神経を傾けて音に聴き入る。
お互いが真剣勝負です。
今日演奏されたいずれの曲も素晴らしく、これが好き、と決めることができません。
そしてお客さんにもブラヴォーを。トッパンホール、聴こうという姿勢が音楽演奏の土台を作る。客層がよいですね。
終演後、きっとみなさん自分だけの、思い思いの幸福感を抱いて家路につかれたことでしょう。

仕事も繁忙期に入ったため、今日はわき目も振らずに仕事仕事。それでも開演に間に合わないかも、とタクシーでホールに到着。疲労困憊。
でも音楽が始まると嘘のように疲れがとれていき、終わったときには元気にホールから飯田橋まで歩いて帰れるほどに回復。
これぞ音楽の力です。
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by felice_vita | 2009-06-30 22:28 | ソロ、リサイタル

サンデー・クラシック・ワイド「N響広場」公開収録

友人に誘われて、「N響広場」公開収録に出かけました。

2009年2月1日(日)
NHK CR-505スタジオ

ゲスト(トーク):徳永二男

弦楽四重奏
1st Vn:山口裕之
2nd Vn:宇根京子
Va:飛澤浩人
Vc:藤村俊介

ヴォルフ:イタリアン・セレナード
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 ハ長調「ラズモフスキー 第3番」
モーツァルト:弦楽四重奏曲 ト長調 K.387「春」

本当は第1部に木管デュオ(Ob和久井仁、Hr日高剛、Pf白石光隆)があったはずなのですが、オーボエの和久井さんがインフルエンザに罹られたとのことでSQのみ。

N響のオーケストラよりも私はこっちのSQの方が好みです。コンマス山口さんのリードが素晴らしく、他の御3方をぐいぐい引っ張り、音楽の道筋をどんどん照らしていかれるのです。
特にベートーヴェン、素晴らしかった。
スターばかりの集団が必ずしもトップになるとは限らない、っていうお手本がN響なのか!
私はどうしてもN響の低体温な高音弦が好きになれずN響定期にはソリストが良いときだけ通おうと思っていたので、実際個人のレヴェルの高さを知りさすがと思うやら、なんでそれが活かされないのか、といじらしいやら。。。
ちなみに本日の4名、みなさん桐朋のご出身でした。

ゲストの徳永さん、演奏の間中鋭い眼差しをメンバーに送られ完全に音楽の中に入っておられました。

木管デュオは残念でしたが、収録って結構聞く方も神経使うのでこれはこれでよかったかなと。

♪♪♪

ところで今日から2月です。
2月と言えば、そう、待ちに待った我らが大フィルの東京公演の月ですよ♪
発売日に友人にチケットを取ってもらいどれだけこの日を指折り数えてきたか。大阪クラシックがメンバーには良い修行となっており全体的にレベルアップしているよ、ということで、本当に本当に楽しみ。元々高音弦はいうことなし(私にとっての日本一)ですが、さて、管はどうなっているでしょうね。
今日の午前中はマラ5の復習をしていましたがTpの出だしが心配です(途中のHrも)。大阪の本定期前に東京公演、大阪での状況を知る前なのでちょいとどきどきもんです。どうぞうまくいきますように!
久しぶりに在関東の大阪仲間とも会えるし、17日は成功の美酒に心置きなく酔えるよう、翌日は午前休申請予定。

2009年2月17日(火)19:00@サントリーホール 大ホール
指 揮:大植英次
独 奏:ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(ピアノ)
曲 目:
モーツァルト/ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調「ジュノム」 K.271
マーラー/交響曲 第5番 嬰ハ短調
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by felice_vita | 2009-02-01 20:46 | ソロ、リサイタル

トッパンホール アンサンブル Vol.6 ショスタコNr.15室内楽版 日本初演

トッパンホールは初めて。
マチネだったのでなんとか迷わずいけましたが、ソワレだったら道案内の標識を見落としてものすごく時間かかってたかも。

2009年1月31日(土)15:00
トッパンホール アンサンブル Vol.6
ショスタコーヴィチ 交響曲第15番 室内楽版 日本初演

チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.50《偉大な芸術家の思い出に》
ショスタコーヴィチ(室内楽版/テレヴィアンコ編):交響曲第15番 イ長調 Op.141a

ヴァイオリン:ミハイル・シモニアン
チェロ:イェンス=ペーター・マインツ
ピアノ:ヴァシリー・ロバノフ
パーカッション:竹原美歌
  同上    :ルードヴィッグ・ニルソン
  同上    :マーカス・レオソン

ショスタコNr15の室内楽版は今まで聴いたことが無く、しかも今回日本初演。残念なことに当初予定されていたヴァイオリンのコリア・ブラッハーさんが急病のため、代役に。元BPOのコンマスの実力、リーダーシップ、そして銘器の音色を楽しみにしていたのですが・・・ HPに発表された後、はがきでも代役の案内が届きました。
今回ピアノをつとめられる”ロバノフさんの強い推薦の下、コリア・ブラッハーの代役として日本でビューを飾る”新星シモニアン。現在22歳。かのヴェンゲーロフ、レーピンと同郷、シベリアはノヴォシビルスク生まれ。(やっぱり生まれた場所って関係あるのか。風土的に名ヴァイオリニストが育つところなのか、素晴らしい先生がいらっしゃるのか?)
海外の有名どころとの競演はすでに多くこなしているようですが、これが日本初お目見え。22歳、良いタイミングかと。
今回は室内楽での登場だったのでその才能の片鱗は窺えたものの、彼の真の才能が披露されるのは次回かな。ゲルギエフのおぼえもめでたいらしいので、もしかしてこの年末のマリインスキー来日時にソリストで同行、っていうのもありえるか。

チャイコのピアノ三重奏曲を生で聴くのは2回目。大阪倶楽部の長原くんトリオ以来ですが、演奏者、場所が違うと音楽ってまったく違うものになるのですね。
チェロのマインツさんはとても背が高く、楽器のエンドピンがとても長い!普通の人が持つときっとコンバスサイズ。そして深い音色、演奏姿も哲学者みたいでかっこいいこと。
チェロがリードをとり、ヴァイオリンをなんとなく気遣っている風なところに、ピアノがしっかりと支える。ブラッハーさんのトリオでの丁々発止を期待していたのですが、これはこれでまた違った音楽として楽しみが。
音楽が終わりながーい沈黙。シモニアンくん、思わずピアノを振り返る、そこで拍手が入り、大きな喝采に。
会場中が静かに余韻を楽しむ空気が溢れ、濃厚なチャイコフスキーの時間でした。

後半。
舞台後方に鎮座ましました打楽器の数々が休憩の間にセッティング。オケ版と同じ13種が所狭しと並べられ、そして前半3名に加わって演奏するはパーカッショニスト3名。打楽器奏者って何でもできないとダメなのね。大変です。
指揮者もいない室内楽版、みなそれぞれ自分のパートがあろうとなかろうとカウントとられてます。普段、オケの演奏会だと後方に位置しているため殆ど動作が見えない打楽器ですが、今回は小さな動き、アインザッツの1つ1つが良くわかります。トライアングル1音鳴らすのになんなに神経使っているのか、とか。
この室内楽版、ショスタコ本人も絶賛した、というのに納得。よくできた編曲です。音楽のラインがくっきりと描かれ、素材のよさがわかるというもの。舞台上は6名なのに、大人数で演奏されているよう。また、ヨーロッパではメジャーだそうですが、日本で長らく実現していなかったのはこのパーカッション3名を揃えるのが大変だったからではないのかなぁ。
サントリーホールでの何かの公演のときに入り口で配られたチラシにトッパンホールプレスVol.39 が入っていたのですが、この中の亀山郁夫東京外大学長のショスタコNr15のインタビューがとっても良いのです。これ永久保存版にしたい、深い考察で、今回の演奏を聴くのに大変参考になりました。背景となるロシアに対する水面下の氷山のような知識の裏づけが、通常の、よくある楽曲、作曲家解説ではなく、音楽とそれを取り巻く環境までごっそりと覆って聞き手のもとに持ってきてくださるのです。

先日、ラザレフ&日本フィルで聴いたプロコフィエフ最後の交響曲である7番、そして今日のショスタコーヴィチ最後の交響曲15番。
両者ともそれぞれ違った道を歩きながらも、最後に振り返り見る景色に浮かぶものは同じものだったのかもしれないなぁ・・・なんて思ったり。

熱い演奏、満席の会場。(ほとんどが熱心なクラシックファンかと思われるが、なぜかショスタコ1楽章が終わって拍手が・・・ 録音が(泣))

ショスタコはやっぱりいい!そしてチャイコもやっぱりすごい。
そしてゲルギエフ&LSOショックのプロコ。(←これに完全に人生狂わされたかも)
なんとも味わい深き、ロシア音楽哉。
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by felice_vita | 2009-01-31 19:37 | ソロ、リサイタル

音楽の都 part3 ウィーンの歌@調布市文化会館

今日は地元でのコンサートです。

音楽の都 Part3 ウィーンの歌
2009年1月10日(土)14:00
@調布市文化会館たづくり くすのきホール

ソプラノ:中嶋 彰子
メゾソプラノ:林 美智子
ピアノ:ニルス・ムース

<プログラム>
♪モーツァルト:歌劇「皇帝ティトゥスの慈悲」K.621より 『ああ、これまでの愛に免じて許してください』(S&Ms)
♪モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」K.492より 『恋とはどんなものかしら』(Ms)
♪モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」K.492より スザンナのアリア『とうとうその時が来た』(S)
♪マルティーニ:愛のよろこび(S)
♪ヘンデル:オン ブラ マイ フ(ラルゴ)(Ms)
♪モーツァルト:静けさはほほえみK.512(S)
♪リヒャルト・シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」op.59より
 『きのうのきみ!けさのきみ』(Ms) 
 『とうとう行ってしまった、あの高慢で下劣な男も』(S)
 『夢なのでしょう』(S&Ms)
♪リヒャルト・シュトラウス:「4つの歌」より『あすの朝』op.27-4(Ms)
♪リヒャルト・シュトラウス:「8つの歌」より『万霊節』op.10-8(Ms)
♪ブラームス:姉妹(S&Ms)、海(S&Ms)
♪シューベルト:至福D.433(S)、歓迎と別れD.767(S)
♪ヨハン・シュトラウス:オペレッタ「こうもり」より『お客を呼ぶのはわたしの趣味で』(Ms)
♪レハール:オペレッタ「ロシアの皇太子」より『きっと来る人』(S)
♪ジーツィンスキー:ウィーン、わが夢の街(S&Ms)
☆アンコール ♪フンパーディング:「ヘンゼルとグレーテル」より『夕べの祈り』

生で聴きたいと思っていてようやく実現した中嶋彰子さん、林美智子さんのコンサートです。
このチケットとるがために、9月の大阪クラシックツアー行きのフライトに乗り遅れてしまった、私にとってはいわくつき(笑)のコンサートです。

中嶋さん、実際はずいぶん小柄な方なのに、歌いだすと大きく見えます。林さんは画像で見るとおりのキュートな方。お互いソプラノ、メゾなのに相互でチェンジしても十分いけます。中嶋さんの歌われた愛のよろこびは低い方で歌われていたにもかかわらず全音域に渡って乱れがない。
ところで楽器に対し、歌手の方はやはりハコによって歌い方、ボリューム、ほか、変えていらっしゃるのでしょうね。本日のくすのきホール、そんなに大きくありませんが(座席500強)結構響くので、そんなにがつがつ歌わなくてもOk、なので生の迫力を楽しむというよりも、1曲1曲、舞台と客席で応答しているようなかんじ。折々にお二人がマイクを持って語られ、歌の説明などしてくださるのもとっても親近感を感じられてよかった。オペラとは対極の楽しみ方です。
中嶋さんの真骨頂は「ロシアの皇太子」のアリア、林さんはR・シュトラウスの『万霊節』だったかと思います。
アンコールの『夕べの祈り』、うつくしいデュエットでした。
ピアノのムースさん、ばら騎士の演奏を聴いていて、改めてこの曲の構造の複雑さが見えました。

衝撃の、とか、感動の、コンサートというのではなく、お正月の余韻をゆったりと楽しむ午後にはぴったりのコンサートでした。毎回毎回あまりにも気合入れて音楽聞くのも疲れますから、その意味では、くすくすと忍び笑いするというか、プライヴェートな感覚で楽しめるコンサートというのも必要、またよいものです。

ところでマチネで都心でのコンサートでもないので、きっと地元の合唱団とかニューイヤーコンサートで名前を知って実際にきいてみたいから足を運びました、的な観客が大多数なのかと思えば、意外や意外、結構玄人っぽい人が多くってびっくりしました。沿線に桐朋があるしクラシック愛好家も多いのかな。
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by felice_vita | 2009-01-10 19:45 | ソロ、リサイタル

ライプツィヒで聞いたコンサート

(2009・1・10追記)

<2008年12月31日 11:00>
MUSIKSALON@メンデルスゾーンハウス、ライプツィヒ
ジルベスターコンサート

ピアノ エヴァ・シュペール
♪メンデルスゾーン:6つの子供の小品 Op.72
♪モーツァルト:きらきら星変奏曲 K.265
♪メンデルスゾーン:
 幻想曲 Op.16ーNr.1
 7つの性格的小品 Op.7より Nr.1、5、6、7
♪シューマン:こどものためのアルバム op.68 冬の時Ⅰ&Ⅱ
♪メンデルスゾーン:“Lieder ohne Worte” op.53/1《海辺で》&2《浮き雲》&3《胸騒ぎ》

80人のサロンは満席、エヴァさんはクリーム色のスーツで登場。エヴァさん、ハノーファー生まれ、日本で演奏されたこともあるらしい。メンデルスゾーン記念年の2009年、CDも発売。
骨太でくっきりとした演奏、これがベーゼンドルファーの音!
日本の場合、少人数でのリサイタルでも服装やら結構気合入れるもんですがこういうところもドイツっぽくって好きです。観客との間にへだたりがなく、日常生活の中にあるものとして音楽を楽しめるんですよね。観客も当然ながら超普段着です。でも愛好家ばかりらしくじっくりと聴き入っていました。

<2008年12月31日 13:30>
ジルベスターモテット@聖トマス教会
♪J・S・バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565
♪メンデルスゾーン:Verlih uns Frieden gnaegiglich(1831)
            Drei Sprueche op.79/5,1,2
♪クリストフ・ホールフェルト:Spruch zum Jahreswechsel
            Gemeindelied”Nun danket alle Gott" EG321
♪J・S・バッハ:Herr des Himmels, erhoere das lallen
Dona nobis pacem
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by felice_vita | 2008-12-31 21:00 | ソロ、リサイタル

ワディム・レーピン ヴァイオリン・リサイタル@オペラシティ

ゲルギー・LSOの余韻が残っていますが、昨日ヴァイオリン・ソロを聴かせてくれたレーピンのリサイタルです。私はもともとこっちがメインで、プロコフィエフチクルスが付録だったのです。
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♪プログラム
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ヘ短調 op.80
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調「クロイツェル」

♪アンコール
ブラームス ハンガリー舞曲より第7番
ショスタコーヴィチ 24の前奏曲より第8番
チャイコフスキー ワルツ・スケルツォ

ヴァイオリン:ワディム・レーピン
(使用楽器は1736年生 グァルネリ・デル・ジェス”Von Szerdahely”)
ピアノ:イタマール・ゴラン

正統派の貫禄。彼はうまく年を重ねているなと思います。熟成された音色、音楽への愛情と理解。正統であることはかくも美しいものか。きちんとした大人の、誠実な男性の演奏で、心奪われてしまった・・・ 30代後半だからこそできる演奏ってあるのですね。ヴァイオリニストは若い方が有利なのかと思っていたのが、真摯に音楽に取り組んできたヴァイオリニストの旬はアラフォー、なんて思ってしまった。

そしてピアノのゴランさんの演奏が、彼の演奏をさらに倍美しくする見事なもの。息もぴったり、音楽表現もぴったり。ソリストとしてのゴランさんの演奏を聴いてみたい。

どの曲もよかったけれど、やっぱりクロイツェルか。この曲ってほんと聴く人を幸せにしてくれます。

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オペラシティのクリスマス。各フロアに設置されているツリー、電飾ともセンスがよく、かつ人も多すぎない。ゆったりしみじみクリスマスを楽しむには最適です。
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by felice_vita | 2008-12-03 22:28 | ソロ、リサイタル