カテゴリ:ソロ、リサイタル( 35 )

樫本大進&コンスタンチン・リフシッツ デュオ・リサイタル

6時半過ぎで仕事をなんとか切り上げ初台へ。開演10分前には到着。ここって本当に近くって便利。

樫本大進&コンスタンチン・リフシッツ デュオ・リサイタル
2008年6月26日(木)19:00~@オペラシティ
[出演]
樫本 大進(Vn) 使用楽器はグヮルネリ
コンスタンチン・リフシッツ(Pf)

[曲目]
ショスタコーヴィチ:ピアノ・ソナタ 第2番 ロ短調 Op.61 (リフシッツ)
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン・ソナタ Op.134 (デュオ)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 Op.47 「クロイツェル」 (デュオ)
※アンコール
ショスタコーヴィチ:クロイツェル・ソナタ

ハプニングが2つ。
まず1つ目。
ショスタコのヴァイオリンソナタ第2楽章で樫本氏ヴァイオリンの弦切れる!!!
うひゃっと2人顔を見合わせ樫本氏下手袖へ。弦も切れるだろうよ、っていう位弦も弓も酷使する曲です。しばらくたって小走りで登場、拍手、再開。さらにテンション上がった感じ!
昔、大フィル&諏訪内さん@フェスでショスタコやったときはじめのところでドルフィンの弦が切れたことがあったが、ショスタコってヴァイオリン泣かせなのか・・・あの時の諏訪内さん、「あらま」って顔で大きなお目目がさらにまん丸になりながらも何事もなかったかのように冷静に舞台袖に引っ込んでこれまた何事もなかったように帰ってきてはじめからスタートしたのでした。

のっけがリフシッツ氏のピアノソロ、それからデュオでショスタコ。激しいというか聞き手も緊張を強いられるので結構疲れる。が、ショスタコの不思議なところは聞けば聞くほど病み付きになるところ。きっとこの2曲も聞き込めば癖になるんだろうな。

休憩挟んでハプニング2つ目。
暗くなっていた会場が明るくなり拍手が起こる。みんな立ち上がって2階に向かってだんだん大きな拍手に。何事?と振り返って見上げると・・・
なんということ!皇后美智子様のお出ましであられましたよ。なんて品のある、、、という言い方自体が下品になっちゃうほど独特のオーラをお持ちでいらっしゃいます。

気分を落ち着けて後半、ベートーヴェンのクロイツェル。

この演奏、すんばらしかった!!!
樫本氏、変幻自在のコントロールというか。リフシッツ氏も継続してまったく容赦ないピアノ(笑)。これぞデュオ。
先日のN響レスピーギがフェラーリなら、このクロイツェルは5月の薫風の中ポルシェのカブリオーレでアウトバーンを気分よく駆け抜ける感じ。ちょっとアクセルに足を乗せるだけで無駄な振動もなく優雅に進むこと・・・
彼自身ドイツが長かったから?ベートーヴェンの素晴らしさが堪能できる名演奏でした。

アンコールのショスタコのクロイツェル、という構成も愉快!
バッハのような、チャルダーシュのような、映画音楽のような、短いながらも切れの良い演奏で、会場大いに盛り上がる。

ブラヴィイですよ~ ご両人。演奏後の2人も男の友情ってなかんじがして。

久しぶりにヴァイオリンのソロ聴いたのですが、やっぱりtuttiとsoloってぜんぜん違う。
聴衆の耳が目が集中する中で、ひとりなり二人なりでそれを受け止め大きなパワーでもって返すのだから。
しつこいけど、ベートーヴェンのクロイツェル、よかったよー
こんなに演奏途中からワクワクして聴いたクロイツェルって久しぶりでした。

カーテンコールも終わり。時に9時20分。デュオリサイタルで休憩ありとはいえ1時間20分です。
熱い拍手、惜しみない賞賛。聴衆も大満足。
会場が明るくなり「もうお帰りよ」の合図。再び注目するは美智子様。拍手でお見送り。
警備も全然厳しくなくてびっくり。

いい演奏会だったな~
オペラシティ、秋にはバルトリもくることだし、会員になるべきか。
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by felice_vita | 2008-06-26 22:18 | ソロ、リサイタル

ローマン・トレーケル シューベルト歌曲の夕べ

6月にベルリン州立歌劇場で「パルジファル」を見た際、アムフォルタス役だったローマン・トレーケル氏が来倉!この9月~10月にかけてのstaatsoperの来日公演で、トリスタン~にて、クルナヴェル役にキャスティングされておりその来日中にリサイタルを行われているようです。

ローマン・トレーケル&原田英代 「シューベルト歌曲の夕べ」
2007年9月24日(月・祝)@倉敷市芸文館ホール
Br:ローマン・トレーケル(ホームページ http://www.romantrekel.de)
Pf:原田英代(http://www.haradahideyo.com)

プログラム
・歌曲集「白鳥の歌」より
1・漁師の娘
2・海辺で
3・都会
4・彼女の絵姿
5・アトラス
6・愛のたより
7・セレナーデ
8・遠い国で
9・すみか
10・別れ

・名歌曲集
1・ます
2・漁師気質
3・月に寄す
4・海の静けさ
5・小人
6・さすらい人
7・君こそは憩い
8・菩提樹
9・夜と夢
10・水面に歌う
11・魔王

アンコール・音楽に寄す

***

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画像はトレーケル氏の公式HPより。

小顔、長身、細身にフロックコートが抜群に似合い、颯爽と舞台に登場した氏は歌手というより俳優です。
ドイツ(旧東)出身なので当然でありますが、ドイツリートはかくも美しいものか、と溜息の連続でした。思わず、日本人は歌ってはいかんよなぁ、と思ってしまいました・・・
1曲1曲が繊細で深く掘り下げられオペラを見るよう。特に前半の「アトラス」が彼の歌の世界に最も合致した曲だったと思います。レパートリーの広い方ですがワーグナーのような異次元の世界を表現されると他の追随を許さず、というかんじです。

ピアノの原田英代さんも素晴らしかった。
シューベルトのリートのよさをこれでもか、これでもか、と引き出し、歌い手にとっては願ってもないピアノ奏者だと思います。リートのリサイタルは歌手だけがどれだけ優れていてもだめなんですよね。
ドイツでは大変ご活躍の方とか、恥ずかしながら存じあげておりませんでした。

母と二人、声に容姿に、溜息の連続の2時間弱でした。
惜しむらくは観客席。芸文館ホールはそんなにキャパはないのですが、それでもこの客入りは寂しすぎます。幕間にフォワイエでお茶するカウンターもなく(自販機、横椅子はある)、せっかくのシューベルトの世界の余韻をもう少しひきずって帰りたかったのですが、これが地方都市の現実なのでしょう。ホールの催しを見ても講演会や学会の利用が多く音楽に使われることはさほど多くないようです。
大阪が恋しくなりました。
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by felice_vita | 2007-09-25 08:12 | ソロ、リサイタル

エディタ・グルベローヴァ ソプラノ・リサイタル

3月の大フィル定期以来16日ぶりのコンサート!ここまで開いたのは久しぶり。観客するのも練習ですね(笑)拍手したら肩と腕が痛くて。明日筋肉痛になってたら笑える。

前半のドイツリート。特に1曲目のルイーゼが不実な手紙を焼いた時、のグルベローヴァ。あれ?どうしたの?さすがのディーヴァもよる年波には勝てないの???と思ってしまったのですが。
休憩を挟んだオペラアリアは別人、もう現代No1ディーヴァの真骨頂ここにあり!

@ザ・シンフォニーホール
ソプラノ:エディタ・グルベローヴァ
バリトン:イヴァン・パレイ(1979年ボゴタ生まれのリリックバリトン。若い!)
ピアノ:フリードリッヒ・ハイダー

後半のプログラム
★グルベローヴァ
ドニゼッティ:歌劇「シャモニーのリンダ」より“ああ、あまりにも遅すぎた~私の心の光”
☆イヴァン・パレイ
ドニゼッティ:歌劇「ドン=パスクァーレ」より“天使のように美しい”
★グルベローヴァ
ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」より“あたりは沈黙にとざされ~うっとりとして”
☆イヴァン・パレイ
コルンゴルト:歌劇「死の都」より“俺のあこがれ俺の夢想は”
★グルベローヴァ
アリャビエフ:夜鳴きうぐいす

アンコール
♪エヴァ・デ・ラクア「牧歌」
♪J・シュトラウス2世「こうもり」より第3幕アデーレのアリア

無敵の音響を誇るシンフォニーホールといえ、キャパ1700席はドイツリートを歌うにはあまり適さないのだなぁと感じました。前半のリートは失礼ながら音大生のためのドイツ語歌い方教室か。

しかし後半のグルベローヴァはすごかった。1曲目からもう女王オーラびしばし。体中から放射状にほとばしる声、声、声。鼓膜にストレートにひびき私の耳はティンパニー状態。
後半のアリア3曲でチケット代になりました。1曲5.5千円!
1曲終わった途端、観客も前半とは別の観客であるかのような大熱狂で一気に会場の熱気が上昇。
プログラム最後の夜鳴きうぐいす。
シンフォニーホールの残響2秒は彼女のためにある!!!

アリアが終わりアンコールになるともうすさまじい歌手と観客の歌と拍手の大合戦。余裕綽綽のアデーレは絶品、名品、国宝級。
ここ数年ではじめてみました、観客層立ちのスタンディングオベーション!ドリカムあたりのコンサートの光景がシンフォニーホールにも広がっていました。大げさですが「生きてて良かった!」
うーん、やっぱりグルベローヴァは現代最高のディーヴァでした。
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by felice_vita | 2007-04-14 20:05 | ソロ、リサイタル

トビリシ弦楽四重奏団「グルジアの夜II」@フェニックスホール

どうしようもなく生音を聴きたくなり、主催者に電話したら留守電で「当日券あります。。。」
フェニックスホールへ行ってまいりました。

☆トビリシ弦楽四重奏団☆
1stVn ゲオルギ・バブアゼ(関フィルコンマス)
2ndVn チプリアン・マリネスク(元シンフォニカ。現在フリー)
Va ザザ・ゴグア(元シンフォニカ首席)
Vc ギア・ケオシヴィリ(関フィル首席)
 
☆プログラム
ナナ・ガバシヴィリ:3つのエピソード(世界初演)
ドミトリー・ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第11番へ短調作品122
アレクサンドル・ボロディン:弦楽四重奏曲 第2番ニ長調より第3楽章「ノクターン」
   ◆休憩中はグルジアワインが振舞われました♪美味!
スルハン・ツィンツアゼ:弦楽四重奏のための9つの小品
 1)スリコ 2)インディーミンディ 3)歌 4)チョングリ
 5)サツェクバオ(舞踏曲) 6)ツィンツカロ(早春)
 7)ソプルリ(田舎の踊り) 8)蛍 9)口うるさい女房
ギア・カンチェリ:弦楽四重奏曲「夜の祈り」

お客さんの層が私の馴染みのない層で不思議な感じです。お客さん同士知り合いも多いみたい。どういう層なんでしょう?主催は「冬のチェンバロの会」という音楽を楽しむ会のようです。協賛は小さな9条+25条の会、協力:めごばり会、富士貿易株式会社(ここはワインの輸入業者らしい)。

関フィルコンマスのゴギさん、すっかりファンです。なんともいえない音。SQで聴くと一層その音の美しさが際立ちます。美しく、切なく、哀愁漂い、郷愁を誘う。NHKのドラマとか連ドラのテーマ曲を演奏されるのにぴったりの音です。
2ndのマリネスクさんもいい音!(みなさんいいんですけど)
ゴギさんがアメジストの音ならこちらは琥珀の音です。
ザザさんはなんだかMr.ビーンみたいで。ケオシヴィリさん、休憩前の前半、両手がものすごく震えていて、特に弓をもつ右手がガクガクで音にもそれが出ていて。体調が悪かったのでしょうか?ものすごく心配しました。
傍目にもわかるくらいだったのでメンバーの皆さんは言うまでもなく、リーダーのゴギさんがしっかり引っ張っていらっしゃいました。でも音の芯、リズムはしっかりしているところはさすがです。
後半は持ち直されていましたがインフルエンザか何かかしら、ととても心配です。関フィルさん、金曜日は中央公会堂、日曜日はNHKだったみたいですからお疲れ?

グルジアの音楽、面白いです。民族的な、というとハンガリーの音楽を思い浮かべますがそれにモンゴル味を加えたよう。メロディアスな曲あり、おかしさを誘う曲あり、哀愁漂う曲ありで本当に西欧クラシックとは一線を画す音楽でした。
特に9つの小品は色んな要素がたっぷりつまってお楽しみいっぱいでした。音楽は風土、気候、国民の気質から生まれるんだなぁというのがよくわかりました。

アンコールのグルジアの名曲「ノクターン」は本当に美しかった。
グルジアワインもとても美味しかったです。大阪だと高島屋、阪神で販売されているそうです。
赤ワインの”キンズマラウリ”、チャーチル英首相が絶賛した逸品というのも納得。甘くとろけるような舌触りと喉ごし。近々阪神に向かいたいと思います。
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by felice_vita | 2007-03-05 22:30 | ソロ、リサイタル

ソプラノ歌手も肉体改造の時代

今日の読売新聞大阪版、「オンの才人 オフの達人」で中丸三千繪さんのインタビューが掲載されていました。
http://job.yomiuri.co.jp/interview/jo_in_07021301.cfm
中丸さんの著書「マリアカラス・コンクール」は、オペラ歌手という職業、コンクールのドキュメンタリーとしても名著とあがめておりましたが、実際聴いたことはなく、私がオペラを聴き始めの頃にたまたま聴きたい曲がもれなく網羅されていたCDを購入したのみ。最近はあまりリサイタル情報を見かけることもなくどうされているのかと思っていたら、ニューヨークで、水泳のチーム北島、フィギュアスケートの村主選手もびっくりの12人のトレーナーを配した肉体改造に取り組んでいらしたのですね。
もともと体育会系、根性派の方と思ってはおりましたが、すごいものです。

オーケストラに消される低音部を克服された声、聴きたくなりました。
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by felice_vita | 2007-02-18 19:32 | ソロ、リサイタル

ヴェッセリーナ・カサロヴァ 麗しのアリア@シンフォニーホール

カサロヴァのコンサートへ行ってまいりました。

”ヴェッセリーナ・カサロヴァ 麗しのアリア”
【MS】 ヴェッセリーナ・カサロヴァ
【ピアノ】 デイヴィッド・サイラス
@ザ・シンフォニーホール

【第1部】
グルック :歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より アリア“エウリディーチェを失って”(オルフェオ)
ヘンデル :歌劇「アルチーナ」より アリア“優しい愛が私を誘う”(ルッジェーロ)
モーツァルト :歌劇「皇帝ティトゥスの慈悲」より アリア“私は行くが、君は平和に”(セスト)
ロッシーニ :歌劇「タンクレディ」より
  レチタティーヴォ“わが祖国”(タンクレディ)
  カヴァティーナ“君はわが心を燃え上がらせ” ~“こんなに胸騒ぎが”(タンクレディ)
  ロンド“なぜ心の平安を邪魔するのか”(タンクレディ)
【第2部】
トマ :歌劇「ミニョン」より ロマンス“君よ知るや南の国”(ミニョン)
ビゼー :歌劇「カルメン」より
  ハバネラ“いつになったら好きになるのか?…恋は野の鳥”(カルメン)
  ジプシーの歌“響きも鋭く”(カルメン)
ロッシーニ :歌劇「アルジェのイタリア女」より カヴァティーナ“愛する彼のために”(イザベラ) ロッシーニ :歌劇「セビリャの理髪師」より カヴァティーナ“今の歌声は”(ロジーナ)
【アンコール】
モーツァルト:「フィガロの結婚」より ”恋とはどんなものかしら”
ブルガリア民謡:カリマンタ・デンク

カサロヴァ、誰もが認める事実ですがやはり素晴らしいメゾ・ソプラノです。
コントロール自在、変幻自在、緩急自在、そして言葉・音のひとつひとつに神経が行き届いた丁寧な歌声。世界を舞台にオペラで活躍する歌手はかくべきもの、というお手本でした。
そして客席からの惜しみない拍手の嵐に嬉しそうにこたえる彼女に、最前列センターの女性から花束が。即会場の方がかけよられましたが「ノープロブレム」と暖かく受け取られホールの雰囲気も更になごんだかんじに。お人柄もよさそうです。
アンコールのブルガリア民謡、素敵でした。どことなく東洋的であり、ブルガリアンボイスとして日本でもかつて紹介された音楽のように不思議な音回し。
プログラムが進むにつれ声の調子もどんどん上昇。まだまだ聴いていたい、終わって欲しくない、と最後は寂しくなりました。
来日オペラ、メジャープログラムもよいですが、ティトとかエウリディーチェとかなかなか日本じゃ聴けないものを持ってきて欲しいなぁ。。。
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by felice_vita | 2007-02-17 22:55 | ソロ、リサイタル

佐野成宏さんテノールリサイタル@宝塚ベガホール

先月、大フィルのヴェルディ「レクイエム」で素晴らしい美声を聴かせてくださったテノール・佐野成宏さんのリサイタルへ行ってまいりました。

∮プログラム
Le violette「すみれ」 スカルラッティ
Amarilli,ma mia bella「アマリッリ」 カッチーニ
Ombra mai fu「オンブラ・マイ・フ」 ヘンデル
Me voglio fa'na casa「私は海に家を作りたい」 ドニゼッティ
Quanto e bella「なんと美しい乙女」 
Una furtiva lagrima「人知れぬ涙」
La promessa「約束」 ロッシーニ
Ladanza「踊り」 

Vaghissima sembianza「優雅な絵姿」ドナウディ
O del mio amato ben「私の愛した人」  
Recondita armonia「妙なる調和」プッチーニ
E lucevan le stelle「星は光ぬ」
O primavera「おお、春よ!」 ティリンデッリ
Non ti scordar di me「勿忘草」 ディ・クルティス
Dein ist mein ganzen Hertz「君はわが心の全て」 レハール

伴奏:佐藤 正浩

ベガホール、先月は木嶋真優さんのヴァイオリンを聴きましたが、ソロだと響きすぎず声の質がとてもはっきり見えるホールです。佐野さん、例によってピンと伸びた背筋で堂々と登場、歌いっぷりも緩急自在で見事です。まったく無理がなく、無駄もない。
「トスカ」の”妙なる調和”は、ベガホールがステンドグラスとパイプオルガンを擁する、まるでトスカの教会シーンそのものの雰囲気を持つため佐野さんもひときわ入魂のご様子でした。
伴奏の佐藤さん、パンフの写真は何年前?今は長髪、若かりし頃のコバケンさん。そのはず、現在はピアノ伴奏、コレペティだけでなく有名どころの指揮をがんがんこなしていらっしゃる。スタートが東京芸大声楽!(お二人とも年齢も近そう。佐野さんはクロス学歴ですがもしかしてお二人も同じ学び舎で肩を並べられたとかあるのかな?)そしてピアノ=>コレペティ、現在指揮者というオールマイティ。
佐野さんはちょうど15年前の第3回宝塚ベガコンクールで第1位、想い出の場所なんだとか。15年たって凱旋できるなんて幸せな方です。宝塚市の暖かさもいうまでもなく。
大阪市内中心部、ないし、主要ホールではない、地方都市・宝塚のホールで佐野さんという素晴らしいテノールを聴ける幸せ。日本のファン層の広さと深さを感じました。(携帯電波はバリバリ入るのに誰の携帯も鳴らない。拍手の箇所も的確。最後までじっくり聴いたところで拍手する曲もあれば、盛り上がった歌い終わりで即入るタイミングを捉えた拍手もあり。文化度が高い地域です、本当に)
アンコールも トスティにはじまり、ディ・クルティス、三大テノールでおなじみのナポリ民謡”カタリ・カタリ~”、〆はサンタ・ルチア。ブラヴォー!!!
阪急沿線に住まう幸せかな。
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by felice_vita | 2007-01-12 23:46 | ソロ、リサイタル

木嶋真優ヴァイオリン・リサイタル@宝塚ベガ・ホール

2000年のヴィエニャフスキコンクール・ジュニア部門最高位で印象に残っていた木嶋真優さんのリサイタルを聴きにいきました。

クライスラー:テンポ・ディ・メヌエット
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第3番
ドヴォルザーク:スラヴ舞踊曲
ヴィターリ:シャコンヌ
ファリャ:スペイン舞曲
休憩を挟み
R・シュトラウス:ヴァイオリンソナタ
【伴奏】江口 玲

二言で感想を。
演奏を聴く前)木嶋真優ちゃんのコンサートにいきます
聴いた後)木嶋真優女史のコンサートに行きました

2006年に聴いたソロの中では間違いなく最高位の演奏です。
文句なし。迷いなし。甘えなし。
とにかく真っ向勝負の演奏です。現在19歳というのが全くもって信じられない円熟した演奏。驚嘆です。
音楽に取り込まれるのではなく音楽と差しで向き合った演奏ぶり。演奏には全く無駄な部分がなく要望どころかむしろ彼女の音楽により己の甘さを振り返らされたかんじ。
生きることはつらいこと、だけどそれを切り開いてこそ人生、と突きつけられました。こんな演奏は初めてです。
ストレートにどんどん迫ってくる音楽。太い細い、強い弱いでは表現できません。弓の毛1本1本が音楽をつくっている、弦に触れていないときも同じ付加で音楽をしています。
久しぶりに「彼女の演奏家としての人生を、一生を見届けたい」と思った演奏家です。

演奏後CD購入者へサイン会がありました。そこで見た彼女は年相応どころか本当に華奢で愛らしい女の子でした。(小林麻央のよう!お人形さんみたいです)
このギャップがすごいです。
関西のみなさんはもちろん、全国、いえ、全世界の方に聴いていただきたい演奏家です。
伴奏の江口さんがまた素晴らしかった!半端なピアノでは彼女の演奏もカタナシですから、”両雄並び立つ”お二人に拍手。
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追記:
彼女は現在ドイツはケルン音楽大学の学生さん。そう、かのザハール・ブロン門下です。
レーピン、ヴェンゲーロフ、樫本大進、庄司紗矢香、神尾真由子・・・綺羅星のごとき門下です。
どのような指導をされているのでしょうね?
使用楽器はストラディヴァリウス1700年製「ドラゴネッティ」
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by felice_vita | 2006-12-11 23:54 | ソロ、リサイタル

神童の軌跡

コンサートパンフを整理していたところ、面白いものを見つけました。
1997年の全日本学生音コン、大阪地区のパンフです。
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ヴァイオリン、小学生の部なのですが、、
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第1位は今やすっかり知名度は全国区どころか世界が舞台の神尾真由子ちゃん。
そして第3位が大阪センチュリーで最年少コンマスの太田雅音くんでした!
なんとも可愛いです。演奏曲は中国の太鼓。なんとなく記憶にあるようなないような、、、
この年はピアノ、声楽はめぼしい方がいらっしゃいませんでしたが確かにヴァイオリンは神尾真由子ちゃんがそのまま全日本でもトップとなって話題になったようにヴァイオリン小学生の部はかなりのレヴェルでしたね。お客さんの入りもこのときが一番多かった記憶があります。

プロのコンサートは純粋に音楽を楽しむために欠かせませんが、こういった音楽家の卵のコンサートも将来大変なビッグネームになってるかもしれないので欠かせません。
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by felice_vita | 2006-11-14 19:18 | ソロ、リサイタル

第3の感性を持つピアニスト、山本貴志くん

昨日、シンフォニーホールへ山本貴志くんのリサイタルを聴きにいってまいりました。

第15回ショパン国際ピアノ・コンクール入賞記念
山本貴志
デビュー・ピアノ・リサイタル
2006・9・29(金)19:00
ザ・シンフォニーホール
主催/朝日放送

♪プログラム
ショパン:夜想曲 第20番 嬰ハ短調 遺作
ショパン:ワルツ 第2番 変イ長調「華麗なる円舞曲」op.34-1
シマノフスキ:「仮面劇」より シェヘラザード op.34-1
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 op.36(1931年版)
***
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66
ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 op.35
ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調「英雄」 op.53
***
アンコール 
・モーツァルト ピアノソナタ第13番 変ロ長調K333より第2楽章
・ショパン 12の練習曲第4番 嬰ハ短調12-4


まず舞台へ登場した彼をみてびっくり、1983年生まれだそうですがプロフィール写真より3歳若く見えます。プロフィール写真は、東幹久の若い頃のようですが、実際の山本くんイメージが全然違いました。どちらかというと”中学生日記”系?です。
そしてピアノの前へ。彼はまず白いハンカチをポケットから取り出し手をふき、ピアノの鍵盤をふき、再び手を。椅子を引きしばし息を整え、黙考の後に第1音が作り出されました。
なんて丁寧な音でしょう。粒が際立つというのとは少し違い、1音1音は丁寧なのに流れるよう。しばしば真珠、宝石のよう、と表現されるショパンのピアノ曲ですが、彼のつくる音楽は1等級の流れ星がひとつ、またひとつ、と濃紺の夜空をよぎるようなかんじ。
シマノフスキのシェヘラザード、初めて聴きましたが、説明文にあるとおりドビュッシーとラヴェルを感じさせます。例えば、どのような曲かを知らない人が”中国の不思議な役人”と聞いてイメージする不思議さとオリエンタリズムを湛えた曲、といいましょうか。名曲です。
ショパンコンクール入賞の彼のデビューリサイタルなのでメジャーなショパンの音楽が並びますが、最もすごさを感じたのはラフマニノフのピアノソナタ。この曲はもはやピアノソナタではなくピアノコンツェルトです。見事な弾きっぷりです。

プログラムに書かれた伊熊よし子さんによる紹介文、
・・・
よく、音楽家がステージに登場したときからその演奏は始まっているというが、山本貴志も登場した瞬間から音楽が聴こえてくるよう。一途で真摯で礼儀正しく温和な雰囲気。だが、魅力はそれだけではない。ピアノと対峙した途端、音楽が一気に天に向かってのぼっていくような熱いパッションが生み出される。
(後略)
・・・
の通り、一途で真摯で礼儀正しいピアニストです。演奏前にハンカチを取り出して汗をぬぐう姿はピアノ界のハンカチ王子?
長野県出身だそうで、それが大いに納得できます。まじめで実直、粘り強い。演奏を終えお辞儀をするのも、まず正面、サイド、クワイア席の全方向へ、角度95度のお辞儀です。

技術力、表現力・芸術性、といったものでは言い切れないまったく別の感性を持ったピアニストという印象を受けました。風を聴くピアニスト、内面的なものではなく自然の美しさを音で表せる才能。
芸術家は年齢ではありませんね。「若いのに」「初々しい」「ピュアな」という枕詞は失礼に当たる気がしました。すでに確立された音楽家です。これからどのような音楽を聴かせてくれるのか楽しみです。

7時スタートで終了したのが9時過ぎ。オケのように自己パート休憩もtuttiもない、一切、手も気も抜けない。
ピアニストの精神力、集中力、体力はすごいです。

追記。
プログラムの構成、これぞショパン!ですが、偶然なのか意識的なのか並ぶ数字が記号的です。
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by felice_vita | 2006-09-30 12:39 | ソロ、リサイタル