<   2008年 11月 ( 13 )   > この月の画像一覧

音楽に淫する

谷川俊太郎・内田義彦『対話 言葉と科学と音楽と』(藤原書店、2008)

谷川俊太郎さん、大好きです。タイトルに惹かれ手にしたのですが、音楽と自分のつながりをこれほどまで深く表現できるなんて、やはり言葉を仕事としていらっしゃるプロフェッショナルの力は偉大。
対話のお相手、内田義彦さん、私は存じ上げませんでしたが1989年にお亡くなりになった経済学者。これまた語られる論理が目の前で物体として料理されているかのようにわかりやすい。

谷川さんの感性に共感することがかねてから多かったのですが、本書中でも、「そう、そうなのよ!これがいいたかったのよ~」という表現がこれでもか、これでもかと繰り出され、胸がすくとはこのことか。

”・・・これは若い頃なんですが、僕はかなりの聴覚型らしくて、音楽に溺れていたような時期がありましてね、音楽に淫しているという印象を持ったことがある。音楽というものは、人間の心とからだにある秩序を与えてもくれるけれど、同時に秩序を破壊するものじゃないか、とそのとき強く感じた記憶があるんです。・・・”

”・・・僕の間隔で言うと、やはり音楽を、自分の感動したパッセージを聴いていると、自分の認識能力のある限界から一歩先へ行けそうな、そんな気がしてくる。つまり、普通の頭脳の状態だったらここまでしかわからないものが、音楽を聴いたおかげでちょっと開けて、向こう側が見えそうになる、という感覚。それが、音楽を聴くときの一番の愉しみでもあるし、同時にイライラさせられるところでもある。というのは、その状態をいくら言葉でつかまえようと思ってもどうしてもつかまえられない、ということがありますから。・・・”

”・・・それまで僕はワーグナーというのをほとんど聴いたことがなくて・・・一種の食わず嫌いだったんですが、そのザルツブルグの復活祭音楽祭で、カラヤンがワーグナーを指揮するのを、しかもそのリハーサルの現場も何時間か聴いてみて、音楽のもつ一種の魔性みたいなものに引き込まれていくような感覚を味わった。我ながらちょっと恐い、という感じがしたんです。ふだん、僕たちはレコードをとおして西洋音楽に接しているわけだけれど、僕がそのザルツブルグで一番感じたのは、ヨーロッパにはヨーロッパ・アルプスという山があり、ザルツブルグにはザルツブルグの古い街のたたずまいがあって、オープニングの日には、みんなタキシードとイブニングドレスで集まってくる、なにかそういう、その音楽が生まれてくる文脈みたいなもの、その質感みたいなものと、音楽とはやはりどうしても切り離せないという実感があったんです。・・・”
”・・・ロマン派の持っている微妙な肉体感覚、質感みたいなものがやはりレコードを聴いているだけでは本当にはとらえ切れてなくて、ヨーロッパのああいう町のああいう空気の中で聴いて初めて、彼らの間にロマン主義が生まれたということのわけが分かった。・・・”

嗚呼、ヨーロッパが呼んでいる・・・
[PR]
by felice_vita | 2008-11-30 10:09 | 読書

新日本フィル 第440回定期@サントリー

新日本フィルハーモニー交響楽団
サントリーホール・シリーズ
第440回定期

ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 変ホ長調 作品70
ウィリ:・・・久しい間・・・~フルートとオーボエのための協奏曲(2002/03)
ヤナーチェク:シンフォニエッタ

指揮:クリスティアン・アルミンク
フルート:マティアス・シュルツ
オーボエ:ハンスイェルク・シュレンベルガー
コンマス:崔 文洙

アークヒルズもクリスマスの電飾がほどこされ華やか。ホール入って階段上にも大きなクリスマスリースが。
昨日からドイツでもクリスマス市がオープン、ということで日本のクリスマス解禁もOKかと。

本日のプログラムは、11月2・3日の定期が「鬱」なら「躁」。
ショスタコ9番はショスタコらしさも垣間見えながらも愉快なるかな。へへん、とふんぞり返るショスタコの姿が目に浮かぶよう。アルミンクの指揮はさらっと軽快だが私はもっとどぎついのが好き。

2曲目、Williさん(1956年生まれ)作曲のこれは聞き易い。映画音楽のようで、特に3楽章の入りなんてターミネーター。フルートのマティアス・シュルツさん、当初予定されていた父上ヴォルフガング・シュルツさんが体調不良のため来日かなわずピンチヒッター。1972年生まれ、とあるのだが、写真だけだと父上と変わんない風貌に見える・・・が、実物は肌艶、お腹周りはやっぱりお若い。ソロも大変だけどオケの木管も大変な曲だわ。一音乗り遅れると、ずっと入れそうにない。打楽器もあわせるの大変そうだ。でもこの曲自体はコンテンポラリーの中では好きな部類。

3曲目、ヤナーチェク。
クワイア席オルガン前にずらりとバンダ隊11名。若手の金管奏者がずらりと勢ぞろいし、のっけのファンファーレ。若くて活きのいい演奏。オリンピック開幕!みたいな。
プログラムにも書かれていたけど、スラブ!そしてどこか日本の土着的なものにも通じるところの多い曲想。これまた聞き易い。
主旋律以外を奏でるパート、目立たないけどこの部分があるとないとじゃ音楽としても大違いなのだろう。背景をきっちり塗りつぶすと題材がくっきり浮かび上がる絵画のよう。
土着的だけどロマンティック。ヤナーチェク、いいなぁ。
[PR]
by felice_vita | 2008-11-29 22:48 | 国内オケ

クリスマスのにぎわい キャナルシティ@福岡

昨日はお昼から甥っ子と一緒にお散歩がてらキャナルシティへ。ちなみに甥っ子がナビ。

すっかりクリスマスです。
f0041305_13373685.jpg
f0041305_13374666.jpg
f0041305_13375456.jpg


噴水のショーが結構豪勢で、パイレーツオブカリビアンの音楽をバックにしたそれはまるで東京ディズニーシーです。夜になるとさぞかし幻想的かと。カップルは盛り上がること必至。

お散歩デートで4時間、おうちに帰って夜11時半まで、しっかり記憶に焼き付けてもらおうと張り切って遊んできました。でも、どうも”パパのお姉ちゃん”っていうのがわかりづらいみたい。
甥っ子は私のことを「お姉ちゃん」というし、私は弟のことを甥っ子の前では「パパ」と呼ぶし、混乱招いているかも。
7月末に遊びにいった妹は、(妹はすっごいちびっ子なので)「お姉ちゃん、大人になったら何になりたいの?」と聞かれたらしい。子どもに見られたのね。

子どもの成長って早い。子どもの1ヶ月は大人の1年、1年会わないと驚くほどお兄ちゃんになってました。
本当は6月に生まれたばかりの2人目の甥っ子のお祝いに行ったのだけど、お兄ちゃんが離してくれなかったわ。これが大人ならいいのに(笑)。
次に会えるのは来年かぁ。
[PR]
by felice_vita | 2008-11-24 13:41 | 日々雑記

富士山

f0041305_7324045.jpg

これから福岡です。
はじめて羽田から富士山をみました。
[PR]
by felice_vita | 2008-11-23 07:32

ロッシーニ・オペラ・フェスティバル《ロッシーニ・ナイト》

東京のクラシック音楽界、何が違うってその数の多さですがそれと同時に違うのがVIPの多さ!
今日は小泉元首相がお越し。やっぱりSPはまだいるんですね。開演直前に入ってこられかなーり熱心にお聴きになっていました。とはいえこの日は企業関係とか招待客のほうが目立ってたかも。ささっと入ってこられても目立っちゃうところはやっぱり小泉さんのもつ空気なのか。私は2階席でしたがふと2階左手サイドを見るとちょうど扉から入ってこられたところで。

ロッシーニ・オペラ・フェスティバル@オーチャードホール
《特別コンサート ロッシーニ・ナイト》
第1部 序曲集
「セビリアの理髪師」序曲
「泥棒かささぎ」序曲
「ウィリアム・テル」序曲
指揮:グスタフ・クーン

第2部《テーティとペレオの結婚》
初演:1816年4月24日、フォンド劇場(ナポリ)
指揮:アルベルト・ゼッダ
ソリスト:
ユピテル/エンリーコ・イヴィッリア(テノール)
  天の神
ケレス/パオラ・アントヌッチ(ソプラノ)
  農業の女神
テーティ/ナターリア・ロマン(ソプラノ)
  海の女神
ペレオ/フェルディナント・フォン・ボトマー(テノール)
  人間の英雄
ユーノー/クレオパトラ・ナシュウ(メゾ・ソプラノ)
  光と結婚の女神でユピテルの妻

管弦楽:ボルツァーノ・トレント・ハイドン・オーケストラ
合唱:プラハ室内合唱団(指揮:ルボミール・マートル)

序曲集。指揮のクーンさん、Mrサンタクロース!
軽快な管弦打楽器、特に合いの手を入れるように入るパーカッションが強弱といい間合いといいいいかんじ。あくまでも軽い、春の嵐のティムパニ。あと木管。オーボエ、息が長いこと。何小節ブレスなしで吹けるのかしら。
今回の序曲集もオペラも、モーツァルト+ヘンデルの世界。ロッシーニって不思議だ。
テノールもソプラノもメゾソプラノもアジリタの嵐。大変なオペラです。
特にパオラ・アントヌッチさんはなんと艶っぽいソプラノ。ナターリア・ロマンさんが清純派なソプラノならこっちは悪女系?でも美しいの。テノールはフォン・ボトマーさんはスピント系、イヴィッリアさんはヒーロー系。しっかりと色分けできているので演奏会方式でも個性がしっかり分かる。
こういう軽いオペラもいいものですね。グランドオペラとは対極。

文化村のクリスマス。美しい。大人の聖夜です。
個人的にはLEDのブルークリスマスにはいい加減飽きてきた・・・パリのシャンゼリゼ、ecoだけど寒々しい。

今週はのっけから風邪気味で今日は熱が38度超え。
帰宅後、帰り道にゲットしたオーストラリアのメルローをぐびぐびいきながらひとりモツなべ。早く風邪治さないと。
ボージョレー・ヌーボーも解禁、昨日は「飲んだ」「飲まない」の話題でひとしきり盛り上がりましたが、あれはやっぱ解禁日にお祭り的に飲んでなんぼのもんだな。土用の丑みたいなもんか。
[PR]
by felice_vita | 2008-11-21 22:49 | オペラ・オペレッタ

小春日和

暖かい1日。
それでも紅葉は始まっていて、落葉の色もとりどりに。
窓から眺めるは、心地よい陽だまりのもとのんびりそぞろ歩く人の姿。会社勤めの人たちもなんだかゆったり楽しそう。
小さいしあわせ、みぃつけた。
[PR]
by felice_vita | 2008-11-17 21:05 | 日々雑記

最近読んだ本

サンクトペテルブルク・フィルをきっかけにいくつか。

河島 みどり著 『ムラヴィンスキーと私』(草思社、2005)
西岡 昌紀著 『ムラヴィンスキー 楽屋の素顔』(リベルタ出版、2003)
ギドン・クレーメル著 『クレーメル青春譜 二つの世界のあいだで』(アルファベータ、2007)

ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルの1983年の白ロシアでの演奏会、ショスタコ5番のディスクも同時に視聴。(フルート奏者は奥様だったのですね)
ソビエト時代の日常、芸術家に対する国の体制、芸術家として生きること。
たった18年前のことなのに別世界、架空の、映画のような世界があったのだ。鉄のカーテンとはまことに正鵠。
ヴァン・クライバーン・コンクールの書籍だったか、ジュリアードの青春だったか、はたまた諏訪内サンの著書だったか忘れたけれど、ソ連からの参加者の背負う重い使命はかくもすさまじいものかということが書かれていたが、それを裏付ける話ばかり。
それでも、河島さんの著書からはにじみ出るマエストロのお人柄がなんとも温かく、ほっこりしていて心地よい。通訳を職業とする方はほんとに名文を書かれる方が多いですね。米原さんにしろ特にロシア語の方は視点も切れ味も読後の印象もずば抜けている。
ショスタコーヴィチの印象も、世間的なものでなくマエストロとの交流から見えてくるところが本来の彼(ショスタコーヴィチ)なのかと。きっと私が彼の曲に惹かれるのはこの部分なのだと思う。
ショスタコーヴィチ評伝は、英国におけるミルクと紅茶の問題のようなもの。どっちが先、どっちが正統でも関係ない、その中味が楽しめれば。

西島さんの著書は、河島さんのあとに読むと二度美味しい。
幻のムラヴィンスキー来日にどれほど日本が熱狂していたか、大阪万博の頃の日本のクラシックファンの様子、そしてマエストロはどのように音楽に接し、日本を楽しまれたのか。
(お父上がレン・フィルの招聘に尽力された方で、河島さんの著書の中にも、5度目の来日が幻になったのは西岡さんへの恩義もあったのではと書かれている。)
その時代の熱狂、想像するだにこちらも興奮する。つむぎだされる音楽も、今のように世界規模の楽団移動、データの行き来がない時代はまったく違ったものだったのだろう。聴いてみたかった!

クレーメル、1947年生まれ。約40年がソビエト時代、若くして西側への渡航を認められ(認めさせ)ても、ソビエトの影響力のいかに大きいことか。というよりも、亡命ではなく、正規ルートでソ連との行き来も認めさせる手腕もだが、ソビエトとの絆を切らないところ、切りたくはないという心を生じさせるというところが、ソビエトの不思議。
[PR]
by felice_vita | 2008-11-15 09:00 | 読書

能狂言界 箒星の祭典+eco@国立能楽堂

大阪にいたときも伝統芸能には足を運んだことがなかったので、国立能楽堂には興味津々。

能楽囃子五変化「神・男・女・狂・鬼」
  笛   一噌 隆之
  小鼓 観世 新九郎
  大鼓 亀井 宏忠
  太鼓 小寺 真佐人

狂言「蝸牛(かぎゅう)」
  茂山 茂、茂山 童司、茂山 逸平
 (後見)島田 洋海

能「舎利(しゃり)」
  シテ 足疾鬼  片山 清司
  ツレ 韋駄天  味方 玄
  ワキ 旅僧   室生 欣哉
  間狂言 泉湧寺の舎利守 茂山 逸平
  笛   一噌 隆之
  小鼓 観世 新九郎
  大鼓 亀井 宏忠
  太鼓 小寺 真佐人

  後見 清水 寛二、浅見 慈一
  地謡 観世 喜正、角田 直隆、古川 充、坂 真太郎、谷本 健吾、川口 晃平
  働キ 鵜沢 光

逸平さん、テレビでもおなじみですが、ずっと小顔です。そして声がよく通ること!滑舌がよいので台詞がとてもききやすく、素人でもとても楽しめました。
狂言では大いに笑い、お囃子、お能では伝統芸能の様式美を堪能しました。
日本の伝統は静と動のコントラスト、特に静止の部分に、ここに生まれる間と静寂が他国の伝統芸能とは違います。
激しい動きの次にくる静止があってこそ動がいきる。そこに観客の緊張感と集中が生まれる、この面ではクラシック音楽よりも観客の占める役割が大きいともいえるでしょうか。
ひとつの動作のためにどれだけのお稽古をされているのか。そしてそれをこれ見よがしに表面に出すのではなく、反対に苦労を見せないところが、また日本的なのですね。
[PR]
by felice_vita | 2008-11-13 01:11 | 舞台・ミュージカル

サンクトペテルブルク・フィル チャイコフスキー・ガラ

本日はオペラシティです。

チャイコフスキー・ガラ
サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団
指揮:ユーリ・テミルカーノフ

オペラ「エフゲニー・オネーギン」op.24からポロネーズ
ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 op.23
 ピアノ:デニス・マツーエフ   ♪アンコール チャイコフスキー:四季 10月 秋の歌
ゆうつなセレナード op.26
 ヴァイオリン:庄司紗矢香

オペラ「スペードの女王」op.68からリーザのアリア”一体、何処から涙が” 
 ソプラノ:エカテリーナ・シェルバチェンコ
オペラ「エフゲニー・オネーギン」op.24から レンスキーのアリア”青春は遠く過ぎ去り”
 テノール:アンドリュー・グッドウィン
オペラ「イオランタ」op.69から 
 イオランタのアリオーソ”なぜなの?”
 イオランタとヴォデモンの二重唱”ワインをどうぞ~あなたが黙っている理由がわからないわ”

序曲「1812年」op.49

お目当てはさやかちゃんだったんですけど。
マツーエフ、すごすぎる・・・テクニックといい、求心力といい、表現力といい、なんといっていいのか分からないけどとにかくすごいのですよ。1発KOです。ノックアウトです。
この曲を完全に自分のものにして、オケまで自分のものにしていて。真珠が手のひらからこぼれるような優しさ、と思えば、大砲百台並べたような迫力、聴衆をぐいぐい自分の演奏に惹きこむ力。そしてなんて幸せそうにピアノを弾くのだろう!
まだ若いけどピアノ界のパヴァロッティとでもいうのか、彼が持つのは”陽”のオーラなんですよね。
一瞬たりとも目も耳も離せない、金メダルモノの演奏でした。
1975年生まれ、33歳。1998年のチャイコフスキーコンクールで優勝。10年たった今、すっごくアブラが乗ってる感じ。いいもの聴いたなぁ~
公式ウェブサイトはこちら http://matsuev.ru/

第3楽章の弦tutti、♪ラシララ~ファソファラミ~ファレ~シレラ”のメロディが今まで聴いたこの曲とずいぶん違って新鮮でした。ここって思いっきりロマンティックに鳴かせて引っ張るものだと思っていたのですけど、今回の演奏、一角獣に乗って静かな朝の森を駆け抜けるかんじ・・・とても爽やかでリズミカル。最初から最後まで気分爽快でした。

オペラはあんまり印象に残ってなくって。感想はスルー。
1812年、2人で叩きまくるグロッケンシュピールが面白かった!すっごい連打、なさそうであるリズム、難しいですよ、これ。なのにしっかりと鳴り響く教会の鐘鐘鐘、、、が目の前に浮かぶんですね。

今日のさやかちゃんのお衣装は、真っ赤なワンショルダーの上品なドレス。華奢なからだがさらに華奢に・・・

コンマス&そのお隣のおじ様、本日も素敵でした~♪
ホルンのおじさんがお休みだった・・・
[PR]
by felice_vita | 2008-11-10 22:56 | 海外オケ

サンクトペテルブルクフィル チャイコフスキーフェスティバル@サントリー

文句なしに今年最高のコンサートです。

サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団
チャイコフスキー・フェスティバル テミルカーノフ70歳記念

ヴァイオリン協奏曲ニ長調 op35
交響曲第4番ヘ短調 op36

指揮:ユーリ・テミルカーノフ
ヴァイオリン:庄司紗矢香

本日の私のメイン、庄司さやかちゃんのチャイコン。
6月のオペラシティに続き2度目の皇后美智子様ご臨席に遭遇。今回は警備が厳しいこと!

庄司さやかチャン(やっぱり彼女はちゃんづけで呼びたい)を生で聴くのは初めて。テレビでみるようりずっと華奢です。ばら色のドレスがとってもお似合い。
1楽章はおなじみ、例の盛り上がる部分ではしっかり盛り上がり期待通り。さすが、と思ったのが2楽章。私にとってはここは小休止であんまり熱心に聴かないところなのに彼女の演奏はかゆいところに手が届くというか、隅々まで神経が行き届いた、決して手抜きをしないもの。そしてオケもまたそれに応えて。オケは和声を奏でるというよりもリズムを刻むパートといった役割。
さやかチャンのすごいのはしっかりオケを聴いてアンサンブルの中でのソロの役割をしっかり押さえている所といいましょうか。知性漂う演奏でした。パフォーマンスも大きくなくせいぜい軸足のバランスを替える程度。この曲、1楽章があまりにもメロディアスなのでそこにばかり着目してしまいますが、協奏曲は3楽章までしっかり演奏されてこそ1つの曲として完成するのですね。その好例となる見事な演奏でした。
アンコールはバッハの無伴奏、パルティータ”サラバンド”。おりしも昨日の新日本フィルのソリスト、イザベルさんと同じ。2人とも使用楽器がストラディなところも。これに関しては両者甲乙つけがたい。好みの問題ですね。どっちも好きです。
コンマスもその付近の人もでっかいから、さやかチャンがさらに華奢に見える。胸の高さくらい?

オケの面々見てるのもたのし。知ってるロシア名適当に当てはめて遊ぶの図。
フルートのイケメン兄ちゃんはアンドレイ、コンマスはロシア流アンドレ・リュウ、ピッコロ女性はタチアナ、ホルンの職人っぽいおっちゃんはイヴァン、コントラバスの真ん中のおっちゃんはピョートル。ファゴットにはラファエロ絵画から飛び出てきたような美しい青年、ホルン一番右はまだ20歳前にも思われる坊ちゃん。年齢もさまざまで視覚的にも面白いな。
第2部の演奏が妄想を誘ったのだが。。。日向薫トップのときの宝塚星組公演「戦争と平和」を思い出してしまった。

休憩挟んで第2部。私の中ではチャイコン聴ければもう満足、だったんですけど。
4番。すごい、すごい、すごいよ!!!
協奏曲では完全にソリストを立ててたんだわ。
テミルカーノフさんとオケの信頼関係をまざまざと見せ付けられた演奏。テミルカーノフさん、まったく大振りでなく、ところによってはまったく動作なし、アインザッツ、交通整理的な手振りのみで自由自在にオケを操り、またオケがそれに完全に応えているんですね。
私がようやくサントリーホールの残響になれたこともあると思うのですが、この残響を楽しみ、オケが操っているような感覚。一大抒情詩をみせつけるような圧倒的な支配。時に舞踏会に迷い込んだような、時に争いの悲劇の場に放り込まれたような、聞き手に追体験を味わわせる音楽。まずは金管パートのうまさにうっとり、やっぱり体格のよい民族の金管はすごいよなぁと思っていたら木管も、弦も文句なしだし。最後の最後でトランペットが勿体無かったけど・・・まぁ1回転んでもフィギュアなら高得点でるしさ。
西洋とはまったく異なる味わい。偉大なるロシア。
演奏が終わって、この感動をどう表現したらよいのか分からないほどの満足感。
こんなに拍手をし続けた演奏会にきたのはいつだっけ。
鳴り止まない拍手。
アンコール1、エルガーの愛の挨拶。これがまた郷愁を誘う名演奏、日本人の心の琴線に触れる演奏、「浜辺の歌」を聞いているような錯覚。
まだやまない拍手にアンコール2、くるみ割り人形。NHK音楽祭のN響と同じ、ですがこっちは本場、バレエの舞台が目の前で展開されているようなスピード感と高揚感。指揮はほとんどしていないのに近いのにまったく乱れない!!!間髪いれずにブラヴォーの拍手。
嗚呼。幸せとはこういうことをいうのね。
明日はオペラシティで悲愴等ありますが、さすがに2日連続で6時過ぎ退社ははばかられて・・・
チケット当日もあすようですので、ぜひぜひ足を運んでいただきたい!!!

テミルカーノフさんに感謝。
いつもは一人では飲まないのに、今日は帰りしなにシラーズ買って帰ってしまった。いまとっても幸せな気分です。
音楽って本当にいいもんですね。
10日にはガラコンにまいります。
[PR]
by felice_vita | 2008-11-04 23:14 | 海外オケ