2006年6月プロダクションの再演、初日を見に行きました。
「こうもり」 2009年1月27日(火)18:30@新国立劇場 オペラパレス 指揮:アレクサンダー・ジュエル 演出:ハインツ・ツェドニック 合唱:新国立合唱団 バレエ:東京シティ・バレエ団 管弦楽:東京交響楽団 <キャスト> アイゼンシュタイン:ヨハネス・マーティン・クンツレ ロザリンデ:ノエミ・ナーデルマン フランク:ルッペルト・ベルクマン オルロフスキー公爵:エリザベート・クールマン アルフレード:大槻孝志 ファルケ博士:マルクス・ブリュック アデーレ:オフェリア・サラ ブリント(弁護士):大久保光哉 フロッシュ:フランツ・スラーダ イーダ:平井香織 今回出色はオルロフスキー役のクールマンさん。全音域において抜群の安定感、そして何よりも美しい!立ち姿も見目も。元々ソプラノとして歌っていらしていたところをMs,Altに転向されたそうですが納得。海外プロでもなかなか彼女ほど安定したオルロフスキーには出会えないと思います。マントを翻す姿にもうっとり。宝塚の男役さんのよう。 そしてロザリンデのナーデルマンさん。 こうもりの出来を決めるのはロザリンデだと確信。どれだけ他のキャストがうまくても、最終的な出来を決めるのはロザリンデ歌手かと。彼女の安定した歌声が、他のキャストがどれだけ遊ぼうと、工夫を加えようと、それをずん、と構えて支えるだけのものがあるので全体の水準が保たれていると思います。 他のキャストも上々です。 アルフレードは日本人テノール大槻さん。監獄の部分ではトスカから千の風まで(笑)幅広く遊び心満載で聞かせてくださいました。声の伸びはこれからの場数で決まるかな。千の風になって、本物のテノール歌手が歌うとかくも美しきかな。 アイゼンシュタイン、かっこいい。ファルケ博士はワルツがお上手、そのほか本当に全体が高水準で、かつ舞台美術もお衣装も美しく、旧正月!を祝うのにぴったりの演目でした。 こうもりの舞台って全体的に黒とか濃紺、アイボリー系のダーク系を貴重にしたもの、という印象があったのですが、今回の新国プロは第1幕はウィーンというよりもニースあたりの色調、2幕のオルロフスキー邸もコートダジュールのパーティみたい。 そして日本での公演らしく、随所に日本語の台詞を挟み元来の脚本の面白みプラス日本ならではのユーモアも含み、とても楽しいもの。 日本人がドイツ語を覚えるのも大変ですが、片言でもドイツ系の方が日本語の台詞を覚えるのも大変だったと思います。 こうもり演出のお約束はきちんと守られ、そこに日本公演の味付けが加わり、「行ってよかった」と満足度も高かったです。 そして、やっぱり、何よりもJ・シュトラウスの音楽の素晴らしさ。これからしばらく頭の中を独占しエンドレスで鳴り響くこと間違いなし。 公演後、キャストの皆さん、初日祝い?で併設のレストラン・Maestroにいらっしゃり、拍手でお出迎え。舞台で見る以上にかっこよい&華奢です!!!最近のオペラ歌手は美貌も大切なんだなぁと痛感。 しつこいですがオルロフスキーのクールマンさん、お名前覚えておいて損はないです。 初日でこれだけのものですから週末の千秋楽は更に完成度が高いものになるかと思います。4回公演っていうのがなんとももったいない!
by felice_vita
| 2009-01-28 01:13
| オペラ・オペレッタ
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