新日本フィル第448回定期@トリフォニー

2009年7月11日(土)15:00@すみだトリフォニーホール
新日本フィルハーモニー交響楽団
トリフォニー・シリーズ
第448回定期演奏会

シュミット:オラトリオ「七つの封印を有する書」

ヨハネ(T):ヘルベルト・リッペルト
ソプラノ:増田のり子
アルト:加納悦子
テノール:吉田浩之
バス:クルト・リドル
オルガン:室住素子
合唱:栗友会合唱団
合唱指揮:栗山文昭

指揮:クリスティアン・アルミンク
コンマス:西江辰郎

聴いたことのないシュミットのオラトリオ。そして私、オラトリオでは聴いているうちに意識が遠のいていく可能性もあり、今日の定期はどんなもんかと思っていたのですが、大正解、大成功だったと思います。
まずヨハネ役のテノール、リッペルトさんが素晴らしい。(私の好きなテノール声直球ど真ん中、球速160キロ)
清明で柔和、高音も余裕があり、しかもすごい声量です。あちこちの歌劇場できっと毎日のように歌っており歌うことが仕事。職業歌手というのは彼のような人のことをいうのでしょう。声の伸びが違う。
歌いっぱなしだし、メロディーの音の跳躍、そして次はこの音に行くだろう、という予想を裏切るものだから、これは大変。(いきなり飛ぶ高音は気持ちピッチ高めにとってる?)
ですがたった一人でバックにオケ、合唱が控えていてもものともせず。1対1で対等にどころか時には声の方がボリュームと存在感が上回る。
キャリアスタートをみるとウィーン少年合唱団とある。神から与えられし喉、まさに歌に選ばれたテノールですな。

そしてオルガン。
この曲、オルガンのためだけに書かれる音楽よりもオルガンパートに力が入っており、朗々とホールいっぱいに鳴り響くオルガンの荘厳な音色に背筋がぴしっとなります。室住さん、神がかりです。

あとは合唱、オケともバランスよし。合唱がんばってました。特に第2の封印の合唱、壮絶でした。(合唱好きは歌いたい1曲だろうな。ディクション、大変そうだけど)
そして淡々と粛々と冷静に、七つの予言の書を俯瞰するようなアルミンクのタクト、この曲にぴったりあっていたと思います。

「七つの封印を有する書」、プログラムの解説を読んでも脳が理解することを拒否して頭に入らないのですが、音楽がはじまるとそんなことどうでもよくなって、非キリスト教徒なりの楽しみ方で音楽にききいりました。
一大スペクタクル、まるでハリウッド映画のような迫力です。映画のテーマ自体もありそうですし。(そういえば昔、第七の予言って映画、ありましたっけ。デミ・ムーアだったかな)
音楽のはじめ、序文で流れる音階がエピローグでも流れ、いずれもヨハネの「私はヨハネ・・・」ではじまり、終わる。行きて帰りし物語、か。
最後は盛大なアーメンの大合唱・オケtuttiの大音量、大団円で終了。
指揮の手が完全に下りきっても息を潜めたまま長い静寂。
お見事でした。
2009年のトリフォニー・シリーズの最後にふさわしいプログラムでした。

録音もはいっていてようで、来年春発行予定。
買って損はないでしょう。
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by felice_vita | 2009-07-11 19:18 | 国内オケ
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