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関西フィル第190回定期 ~ノスタルジー~

関フィルの定期にいってまいりました。
当日券あり、という告知でしたので、6時過ぎに窓口でチケットを買い求めて席へ。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第190回定期@ザ・シンフォニーホール
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指揮:飯守 泰次郎
ピアノ独奏:横山 幸雄
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団
コンマス:ギオルギ・バブアゼ
  (川島秀夫さんもご出演。コンマス揃い踏みでした。2007年の初定期だから?それとも定期はいつもいらっしゃるの?)

♪シベリウス: 交響詩「フィンランディア」作品26
♪伊福部 昭: ピアノとオーケストラのための「リトミカ・オスティナータ」
♪ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 作品47

18:40から事務局長・西濱さん司会、飯守さんによるプレトークがありました。前回のいずみホールでもプレトークがあったのですが、定期では今回が初めて今年から”毎回”実施(訂正・追記)だそうです。いいですね!

よいプログラム構成だったと思います。伊福部さんの「リトミカ・オスティナータ」、名曲です。叙情的で日本的で印象派のようでもあります。伊福部さんがお亡くなりになったのが昨年の2月8日だったそうでちょうど一周忌にあたります。
”・・・伊福部さんは、大地と自然と人間の民族性に根ざし、土着のバイタリティーが躍動する素晴らしい作品を一貫して書き続けました。その源は、新しい自由の天地・北海道、十勝平野の大自然の中で生まれ育ち、アイヌ文化の原始的で粗野で素朴な生命力と美意識のあり方に少年時代に接したことにあります。・・・”(プログラムより抜粋) 
伊福部さんは大学卒業後、林務官の職に就かれ、”昼間は山林の中で労働者を監督し、夜はランプのしたで独学で音楽をひたすら書き続け”る生活をされていたそうです。
飯守さんがお話されたとおり、音楽の中に山林の風景がふんだんにこめられているのがわかりました。現代の音楽というと前衛的で不快感を伴うものばかりという印象だったのが、この曲はまったく異なり、耳に、胸に心地よく響く音楽で、演奏後もとても穏やかな気持ちに満たされました。横山さんのPfもぴったりでした。例えば”野を渡る風”と聞いたときに西洋では湿度が低く広くて青々とした野原を風が駆け巡る風景を思い浮かべますが、日本の、この伊福部さんの曲の場合、西洋に近い北海道の風景とともに、京都あたりの山林の笹が風に吹かれてざわざわとゆれる風景を思い浮かべる。今日は日本の美しさを見つめなおさせてくれる演奏を聴くことができました。
伊福部さんは「ゴジラ」の作曲家として有名ですが、一部の人間でなく大勢の人に好かれる違和感のない音楽を作られる方ですね。

ショスタコファンとしては外せない5番です。第3楽章は、このメンバーでバーバーの弦楽アダージョ聴きたいと思いました。のすたるじー!
感想ですが、木管・金管・打楽器は叩きまくりの吹きまくり。特にパーカッションの女性陣、あの細い腕でよくもまぁあんな強く太い音が出せるものです。対して弦、特に1stVn、音はいいのですがちょっと重量感不足の印象です。前半2曲ではコントラバス(7本ありながら)の音の弱さがとても気になっていたのですが、ショスタコでは低音部の弦はさほど気ならず。
前回いずみホールでモーツァルトを聴いた際もコンバスが本数立っている割に弱いと気になりながらも私の座席(前寄り左手=Vn近く)のせいでそう聴こえると思っていたのですが、どうもやはりコンバス弱い?
全体的にパート毎のバランスというか音の厚さが気になりました。弦が、やはり大フィルと比べてしまうからかもしれませんが、演奏は美しいのですけれども平面的、二次元なんです。大フィルの弦は三次元で深み・厚み・質量があるんですね。
管・打楽器が音色はともかく思いっきり飛ばしてくる(飛ばせる)メンバーみたいですのでその感覚的な差が気になります。
まぁこれは個人的な好みの問題かもしれませんが・・・

でも関フィルはかなり気合はいっているなぁという印象です。3月の定期も聴きたいプログラムなので検討中。キージェ中尉を定期で取り上げてくれるなんてそんなにないですから、12月に”トロイカ”聴きまくっていた私には天啓のよう・・・これまた管が勝負な曲で。

色々思いながら帰宅したら、大フィルから定期会員更新の最終勧告が(笑)。
2月16日までに返事をしないと指定席売りまっせ~と。今まで確保していてくださっていたというのが驚きです。すっかり忘れて返事してなかった・・・ってまだ迷っているんですけど。
by felice_vita | 2007-02-09 23:02 | 国内オケ
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